真っ暗な海中を歩く 得体の知れないモノ
一昨年の夏のことだ。
普段から家族付き合いをしている同僚と、日程を合わせて会社の保養所を利用した。
うちは嫁さんと小学生の子供が2人、同僚も奥さんと小学生の子供が2人。日中、旦那2人が子供たちを海で遊ばせている間に、嫁さん2人は息抜き………近くのショッピングモールヘ行くなど、それぞれが保養所での夏休みを満喫した。
そして、最終日の夜は一緒に、浜辺でバーベキューを楽しもう! その後に花火大会で締めようという話になった。
穏やかな波の音を聞きながら同僚と飲むビールは格別に旨い。が、子供たちの手前、ハメを外して飲めないのが少しばかりつらかったが……。
さあ、いよいよメインイベントの花火大会だ。が、その前に用を足しておこうと30メートルほど離れたトイレに向かった。
トイレから出て、海辺にしゃがんでしばし海風に当たっていると……波の音に混ざって、人が歩いているような音が聞こえ来た。
いくらなんでも、この真っ暗な海に入るヤツはいないだろう。そう思ったが、人が歩いてるような音は砂浜に近づいてきている。えっ、本当か!?