好調狙い馬予想 薮中泰人
頭で勝負は危険なナヴィオン
夏の小倉競馬も残り2週となった。今週は重賞がなく、日曜メインは小倉日経オープン。ミキノバンジョーが昨年に続く連覇を狙っている。
とにかく夏に強いタイプで勝ち星は6~8月に集中。3歳時から昨年の6歳まで毎年、勝利している。夏場のトータル成績は実に[6116]だ。
今年は7月に復帰して七夕賞5着、小倉記念13着の成績だが、元来が叩き込んで良くなるタイプ。昨年の勝利も4、15着から叩き3走目での変身だった。
同じ日程で挑む今年も、同様の期待をかけていいだろう。前走の小倉記念は同型のメイショウナルトがいてハナを奪えなかったが、今回のメンバーなら得意型の競馬に持ち込める。馬体重が12キロも増えていた前走から体も締まってくる今回。
まさしく走り頃の3走目だ。昨年2着のタムロスカイも出走するが、相手はフレイムコード、シゲルササグリの2頭に絞れそうだ。
前者は今季絶好調で目下、2連勝。夏の上がり馬の雰囲気があるし、後者は函館で巴賞3着、函館記念5着と健闘。
時計のかかる今の小倉の馬場がマッチする。重賞が組まれているのは新潟と札幌。まず新潟2歳Sは関西馬のナヴィオンに注目が集まる。今年、大ブレイクのハーツクライ産駒で、所属も今年のダービーを同産駒のワンアンドオンリーで制した橋口厩舎。デビュー戦も大物感がたっぷりの勝ち方だった。
4角でもまだ14番手の後方。それが残り2Fでハミがかかると一気の伸び脚。上がり3F32秒7で差し切っていた。
来年のクラシックが楽しみな器だと言えるが、その一方で、ポンポンとは勝てないのがハーツクライ産駒でもある。
先週までの時点でデビュー勝ちのあとの2戦目成績を調べると[342 26]。
35頭で連勝馬はわずかに3頭しかいない。年を追って成長するのが同産駒の特徴で、2歳の早い時期から突っ走るタイプでは決してない。
あのジャスタウェイも2戦目の新潟2歳Sでは2着だった。ナヴィオンも寸が詰まった体形で、いかにも若く、成長途上の馬体。連対の可能性はあっても積極的に頭から狙えるタイプではないだろう。
軸候補は関東馬ならディープ産駒のアヴニールマルシェ。関西馬ならワキノヒビキを上げたい。特にワキノは1戦ごとに切れ味を増し、完成度でリードする。
札幌のキーンランドCはレッドオーヴァル狙いだ。立て直した前走の札幌日刊S杯が圧巻の勝ち方。6Fでこそ能力が生きるタイプで重賞初Vのチャンスだ。
(日刊ゲンダイ大阪記者)
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