江戸城七不思議 その三
御鈴廊下近くの「夜泣き石」

5代将軍綱吉の頃。若く美しい奥女中と、将軍の身の回りの世話係の小姓が、場内御鈴廊下(おすずろうか)の外の石に腰を下ろして密会していることが知れ渡った。奥女中は外出許可でもない限り日頃から自由に大奥外に出ることはできない。小姓もまた、大奥に立ち入ることはできない。やがて密会が表沙汰になり、ふたりは現場である石のそばで手討ちにされた。その後、ふたりの命日には当時地に染まった石から鬼火のように青白い光が立ち上り、女のすすり泣きが聞こえるようになったという。

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