江戸城七不思議 その四
天守なき天守台から死体が!

文政期(1818~30)のこと。御末と呼ばれる役職(大奥の下級女中)のあらしという名の娘が行方不明になった。神隠しにあったのでは、と案じつつ探し回ったが見つからない。それから3日後。大奥近くの天守台の下を巡回していた天守番がしわがれ声を聞いた。「あらしはここに、ここに」と。すると、天守台からどさり、と落ちてきたのは血まみれになったあらしの無惨な死骸。全身をまるで爪のようなものでかきむしられた惨い姿だった。

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