夏の寝苦しさは、温度よりも湿度が問題。
窓開け、ずぼら、敷きパッドが武器になる。


……というわけで、まずは、「眠りといえば、やっぱりふとん屋さんでしょ」というので、やってきました、有名老舗寝具メーカー『東京西川』、日本橋の本社です。

「夏の夜は、いつもぐっすりのこのワタクシでさえも、寝苦しい。クーラーつければ寒いし、消せば暑い……どうすりゃいいの~さ、このワタシ~♪状態です」という訴えに答えてくれたのは、スリープマスターの資格を持つ、長谷川夏美さん。『東京西川』の日本睡眠科学研究所が認定した、眠りのプロフェッショナルです。

西川夏美
長谷川夏美(はせがわ なつみ)さん
東京西川・日本睡眠科学研究所認定、スリープマスター。眠りのアドバイザー、眠りコンサルタントとして活躍。確かな知識と情熱で、プロのアスリートからの信頼も厚い。ニッポン放送『磯山さやかのGoodナイト!Goodトーク!』にレギュラー出演中


「最大の敵は、温度よりも湿度。湿度をどうコントロールするか、がカギなんです」

そのためには、どうしたらいいの?

「寝室は、人の出入りが少ないので、家の中ではいちばん湿気がこもりやすいところ。家に帰ったら、まず窓を開けて換気してください。押入れやクローゼットの扉も開けて。空気の流れを作りましょう。換気をすると、夜中に冷房が切れたときにも、快適な環境が長続きするんです」

そうなんですね。ワタクシ、寝る直前に、むっとした部屋に入ってすぐにクーラー入れてました。

「朝は、起きてすぐにふとんを畳んではダメです。掛けふとんも元に戻さないで、しばらくの間はいでおきましょう。ベッドメイキングもしないこと。寝ている間に大量の汗をかいていますから、その湿気を飛ばしてほしいのです」

夏美さん、それなら、ワタクシ実践しています。万年床だし、掛けふとんもだらしなく、ずぼらに、はいだままで~す!

「……でも、同じところに敷きっ放しだと、畳や床との間に湿気がたまります。天気のいい日に干したり、風通しのよいところに立てかけたりしてくださいね」

はい……わかりました。

「それでも、夏は体と敷きふとんとの間が、もわ~っとなりますよね。そこで開発されたのが、『エアーサイクロン バンブータイプ』という敷パッドです。3~4層の空気の層を作ることで、寝返りのたびに、体の熱気と湿気を含んだ空気が押し出されるのです。ポリエステル素材でできていて、その体積の96%が空気層。通気性、放湿性に優れていて、内部に湿気をためません」

まる2
ベッドや敷きふとんの上に置くだけのパッド。空気層が熱気と湿気を逃がしてくれる


まる3
さわり心地は意外に硬い。軽~いです


じっさいに触ってみると、かなりの弾力! さらっとしていて、それに軽い! 中の素材を見ると、蜂の巣のような、ダンボールの断面のような、空気層がずらりと並んでいます。確かに、これなら体を動かすたびに中の空気が動いて、熱気や湿気も移動するはず。

まる4
中はこんな空気層でできています


「クッション性があるので、体にかかる圧力も分散してくれます。床ずれも起こしにくいので、介護施設や病院などでも使われています。夏が終わったら、敷きふとんの下に敷いてください。畳や床との間の空気の通りをよくして、湿気を逃がすことができます」

なんだか、すご~くよさそう。欲しくなってきた。買ってしまいそう……。でもでも、原稿料がなぁ……吹き飛んで、赤字になってしまう……。まずは夏美さんのいうように、夜、窓を開けて湿気を飛ばしてからクーラーをかけてみます。掛けふとんは、もっとだらしなくずぼらにはいでおきます!

ひとまず、買うのを踏みとどまって帰ってきたワタクシ。でも、やっぱり……欲しい……かも。

(取材・文/眠りの女王ヒサコ)

東京西川
公式ホームページ
http://www.nishikawasangyo.co.jp/

「エアーサイクロン バンブータイプ」
吸湿性、放湿性、速乾性、通気性、軽量、洗濯OK。2008年にモノづくり連携大賞(日刊工業新聞社主催)を受賞、2011年には、日本繊維機械学会賞 技術賞を受賞。シングル38,000円、セミダブル48,000円、ダブル58,000円(すべて税別)

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