プロも注目する「都立の星」

近年は公立高校にも有力な選手が集まることが多くなっているが、プロからもマークされる「都立の星」を2人紹介しよう。

まずは都立小山台のエース・伊藤優輔投手。「伸びのある最速144キロの直球とキレのあるスライダーは、3歳から12歳までの水泳経験で、肩肘の柔軟性を養ったことで生まれたそうです。本人は進学を希望しているが、プロからの"誘い"があれば、心は揺らぐかもしれません」(民放スポーツ局記者)

もう一人の「都立の星」は都立雪谷の鈴木優投手だ。"都立のダルビッシュ"の異名を持つ鈴木は、最速145キロの直球とスライダー、カーブ、スプリットなど多彩なボールを投げることができる。

「本格的に投手を始めたのは高校1年生からというから驚きですね。1年生の秋にエースナンバーを獲得し、2年生の春、葛商戦で6回、1安打13奪三振の快投で一躍、脚光を浴びました」(専門誌記者)

2年生の夏からプロの注目が集まり始めたが、3年生の春の大会には、鈴木のピッチングを見るために阪神を除く11球団のスカウトが集結するまでになった。

昨春の選抜優勝校である浦和学院のエース・小島和哉投手の進路にも注目が集まっている。昨夏の甲子園は1回戦敗退に沈み、今年こそはと雪辱を狙っていたが、埼玉大会の3回戦で敗退。新たに覚えたカットボールを甲子園で披露することはなかった。

小島についてはDeNAが興味を示しているという噂もあるが、「ドラフト2位」という評価だともっぱらである。

打てる捕手としてプロから高く評価されているのが、福岡・九州国際大学付属の清水優心捕手だ。

遠投115メートル、二塁送球タイム1秒78の強肩を持ちながら、場外満塁ホームランを公式戦で放った頼れるスラッガーでもある。その飛距離は推定150メートル。2年生の秋に県大会7試合で4発と、その打棒をいかんなく発揮し、主将として県大会V、九州大会進出を達成した。

甲子園でも2安打と力の一端を見せたが、超スローボールで有名になった東海大四の西嶋亮太投手の投球術に翻弄されて1回戦敗退。それでも、清水は4打数2安打1打点の"結果"を残し、一人気を吐いた。

敗戦後、清水は「できればプロで勝負したい。打てる捕手は少ないと聞いているので目指したい」と早々とプロ志望に意欲を示した。

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