「大駱駝艦」のみなさんは、いつも長野県・白馬村で合宿をされるそうですが、最近では海外の方も大変多いとか?

定員が30~35名でいっぱいなんですが、今回は三分の二が海外からの方でしたね。
オーストラリア、フランス、アメリカ、コロンビア、ロシア等々世界各国から参加しますし、日本人がどんどん少なくなっているくらいです(笑)。年齢でいえば、17.8歳の子もいれば62歳の方がいらっしゃったり。僕としては一緒に酒を飲める年齢だといいなあ、と思ってるんですが(笑)。8泊9日の合宿なんですが、身体づくりから始まって衣裳づくり、稽古・公演まですべて自分たちで行います。教えることもしなければならない大駱駝艦のメンバーは寝る暇もないくらいですね。大変過酷な合宿ですが、収穫も大きいだろうと思います。最後の公演日には合宿生の家族や恋人が各地から観に来るし、もちろん、地元のおじいちゃんおばあちゃんも観に来てくれて、野菜を持ってきてくれたりね。こういった活動を継続することで、「白塗りや金粉で踊ってるけど怪しいものではありません!」という証明にもなってますしね(笑)。こうして話すと、ほとんど遊んでるみたいでしょ。でも、飽きることはありませんね。
僕らの活動というのは、一見世の中の役に立ってるものじゃないように見えますからね。


でもそれが世界中で評価され、観た人が楽しんで、解釈して、結果なにかしらのパワーをもらえている、というのはすごいことだと思います!

そう感じてくれる方がいるのは嬉しいことですね。「されど“をどり”!」だということを示したいね。だいたい、世の中の二割くらいの人はみんなオカシイんだから。その一端を担ってやる、という気持ちでやってます。ある種の”遊び”を頭をひねってみんなでやっとる、ということですな。

 

 

 

 

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幼少期からのプリミティブな”遊び”の感覚が”をどる”ことに繋がっている、ということですね。ホントに素晴らしい”自由時間”といえる時間を生きていらっしゃる麿さん。今日は本当にありがとうございました。


~日刊大衆取材班より~
粋な着物姿がとてもお似合いだった麿さん、映画や『大駱駝艦』の舞台以外への出演も数多く、”怪優”なんていう表現をされることもありますが、物腰の柔らかい、それでいてとても情熱的なものをマグマのように隠し持っていられるような魅力的な方でした。
「人間はゴミだ!、と教えるメンバーもいる」、というくだりで出てきた「大駱駝艦」の舞踏家・村松卓矢さんは、何を隠そう日刊大衆編集長の小学校時代からの同級生。白馬村の合宿ではリーダーを務めたそうで、舞台でも印象的な役柄で出演なさっています。ご興味のある方はぜひ、舞台へ足を運んでみてくださいね!

 

 

 

 

麿 赤兒(まろ・あかじ)PROFILE
1943年奈良県出身。早稲田大学文学部中退。劇団「ぶどうの会」を経て舞踏家、土方巽氏に師事、その後『状況劇場』の設立に参加。60年代から70年代の演劇界に変革の嵐を起こす。1972年、舞踏集団『大駱駝艦』を旗揚げ。舞踏に大仕掛けを用いたスペクタクル性の強い手法を導入し、海外公演でも高い評価を受けている。また、映画、舞台などでの活躍も目覚ましく、出演作品も多数。長男の大森立嗣は映画監督として、次男の大森南朋は俳優として、それぞれ活躍している。
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~出演情報~
9月13日(土)~21日(日)
「肉のうた」@大駱駝艦・壺中天スタジオ
http://www.dairakudakan.com

 

 

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