平清盛に正岡子規……歴史上の偉人をも死に追いやった強敵が、現代に完全復活。身を守る術や、いかに!?

大流行の兆しを見せるデング熱。患者数は連日増え続け、12都道府県で計59人(9月4日時点)の発症が確認されている。

「発症するのは2割といわれていますから、日本国内ですでに300名近い人が感染していると思われます。また、糖尿病などの持病がある人が感染すると命に関わることもあるため、シニア世代は特に注意が必要です」(医療関係者)

このデング熱は、今から72年前にも日本で猛威を振るった伝染病。もともとは東南アジアなど熱帯地域特有の病で、そのウイルスは、ヤブ蚊の一種であるヒトスジシマカによって媒介される。ところが、前述した患者らには海外渡航歴はなく、代々木公園(東京)およびその周辺で蚊に刺されたことが原因とされている。

「8月21日の午後に代々木公園でロケをしていた、TBS系情報番組『王様のブランチ』レポーターの青木英季と紗綾の2人も感染しました」(芸能記者)

なぜ、消えたはずの熱帯病が、現代の日本で再流行の兆しを見せているのか。

医療ジャーナリストの牧潤二氏は、こう語る。

「代々木公園周辺は明治神宮や原宿など、外国人観光客が多い地域。特に代々木公園では、8月にいくつかイベントが開催され、外国人観光客も詰めかけていました。たとえば、外国人の中にデング熱に感染している人がいたとしましょう。蚊がその人の血を吸い、近くにいた日本人を刺すと、蚊を媒介して感染が広がることになります」

太平洋戦争中の1942年にデング熱が大流行した際の感染ルートも、海外からだった。

「当時、長崎の、ある通り沿いに住む人は、ほぼ全員感染するほどの流行を見せました。南方からの帰還兵を乗せた船が長崎港に入り、彼らから感染が広がったと言われています」(前同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3