好調狙い馬予想 薮中泰人
体質面強化レッドリヴェール



秋競馬の2週目は東西の2場で3歳GⅠの前哨戦が行われる。まず阪神のローズSはいきなり主力2頭の対決だ。

オークス馬のヌーヴォレコルトと、2歳女王で桜花賞2着のレッドリヴェールだ。

ヌーヴォは8月20日に美浦に帰厩。27日に5F70秒0、9月3日に同じ美浦のWコースで6F82秒1と攻めピッチを上げているが、仕上げが進んでいるのはレッドのほうだ。

初時計が8月20日の坂路54秒3で、27日に54秒2、9月3日には凱旋門賞に向かうジャスタウェイの攻めパートナーを努め、52秒7のハードな調教までこなした。

レース2週前時点でこれだけ追えたのは異例のこと。3歳の秋を迎えて体質面の強化がうかがえる。

実際、見た目の馬体も春シーズンの細さがなく、随分とふっくらと見せる。

いい筋肉もついて前後のバランスまで良くなっている。

調教メニューが強化されるわけである。勝って本番のイメージが強くなった。

穴の楽しみならプリモンディアルだ。4戦2勝のディープ産駒で、上がり3F33秒2で差し切った2走前の切れ味が素晴らしかった。

一級牝馬になり得る素質がある。前走の中京戦は重い馬場に泣き、末脚は不発(4着)だったが、その1戦で夏場は休養、秋競馬に目標を切り変えた。8月27日の坂路57秒1が初時計で、1週後の9月4日には併走追いで追走先着。

55秒3- 12秒4を楽にマークした。さらに7日にはCWで5F72秒4。コース調教も加えて仕上げペースが上がっている。

春よりも馬体にふっくら感があり、実にキビキビした身のこなし。相手は強力だが、2強の1角崩しの可能性は秘めている。

あとサングレアルは札幌で乗り込んでの帰厩。直前の動きに注目したいが、アドマイヤビジンの気配もいい。

新潟のセントライト記念にも、いきなり大物が登場する。皐月賞馬のイスラボニータはレース2週前時点ですでに3本の併走調教をこなし、始動戦への準備が進んでいる。常時、力を出し切るタイプであり信頼していいか。

関西馬ではトゥザワールドの仕上がりがいい。8月24日に初時計。27日に坂路57秒1のあと、9月3日にCWで併走追い。6F82秒4-3F38秒0の速い時計が出た。

さらに7日には坂路56秒2、素軽いフットワークを披露している。

春は皐月賞2着、ダービー5着に終わったが、5歳時にGⅠを制した母がそうだったように、この血統は奥手。

たくましさを加えた馬体から楽しみな始動戦だ。

(日刊ゲンダイ大阪記者)

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