9月4日、中国日報によると、浙江省で発がん性物質を含んだ薬用のカプセルを9000万個製造、販売したとして、11人が逮捕された。このカプセルには高濃度の重金属クロムが含まれていたという。製造会社は今年2~7月の5カ月間に、違法な毒カプセルを9000万個生産。なかには基準値の65倍の濃度のクロムが検出されたものもあった。なぜこんなことが起こってしまったのだろうか?
ちなみにクロムと呼ばれているものでも、クロム単体や化合物である3価クロムは毒性を持っていない。むしろ3価クロムは人体の必須栄養素で、健康食品やサプリメントにも配合されているほどだ。一方、6価のクロム化合物(六価クロム)は極めて毒性が高く、土壌汚染を起こすなど、しばしば問題視されており、4価のクロム化合物になると発癌性があると、WHOの下部機関IARCより勧告されている。
このようにクロムと呼ばれるものには種類がある。ここからは推測なのだが、今回の事件は本来3価クロムを入れるべきカプセルに、間違えて6価クロムを入れてしまったのではないだろうか? まるで冗談のようなうっかりミスだが、そんなことが起きるのがチャイナ・クォリティーというものである。あくまで推測に過ぎないのだが……。
しかし今回の事件、逮捕者は出ているものの、これらのカプセルはすでに市場に出回っているという。さらに具体的な行方もわかっていないというのだから恐ろしい話だ。

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