アフガニスタンは、過去20年以上に渡る侵略や内戦が続いている最貧国として知られ、国民の平均寿命も48歳と短い。今月16日には国際治安支援部隊の要員3人がイスラム原理主義勢力タリバーンによる自爆テロで死亡しており、政治面でも今年行われた大統領選の結果を巡る混乱が続いており、「平和・安定」にはまだまだ遠い。
そんなアフガニスタンに、およそ100兆円に相当する世界最大級の鉱脈が眠っているという。2004年、米軍によってタリバンが掃討された後にアメリカ地質調査所が鉱物に関する調査を開始したところ、旧ソ連の手による地質調査地図が発見され、埋蔵量50年以上分もの金鉱脈の所在が明らかとなった。2006年にアフガニスタン上空から磁気調査、重力調査、ハイパースペクトル調査をしたところ、さらなる鉱物資源が次々に発見されたのだ。
これまでに発見された鉱物は、銅 6000万トン、鉄 22億トン、レアアース 140万トン(ランタン、セリウム、ネオジムなど)のほか、膨大な量のアルミニウム、金、銀、亜鉛、水銀、リチウムである。これらの総額をアフガニスタン政府は約90兆円と見積もっており、既に同政府は中国の国営企業、中国治金科グループと銅の発掘権に関する30年間3000億円規模の契約を締結している。
こうした豊富な鉱物資源が、混迷するアフガニスタンにとって「平和・安定」の礎になる可能性は高い。利権を巡ってさらなる争いが起こらないことを祈りたい。

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