先週18日、スコットランドの英連合からの独立の是非を問う住民投票が開票され、独立反対派が55.25%を占め過半数以上に達し、独立は否決されることとなった。これによって307年間にわたって続いてきた、イングランドとスコットランドの連合はとりあえず維持されることとなった。

しかし、もし仮に、スコットランド独立ということになっていたとしたら、果たして日本にどのような影響が及んでいただろうか。

そもそもスコットランドは、国土面積に関してはイギリスの約32%を占めてはいるものの、GDP(国内総生産)は8%、人口は10%弱程度にすぎない。つまりスコットランドの独立は、こと経済面に関してうと、世界全体に及ぼす影響はさほど大きくないと見ていい。

むしろ心配なのは、独立したスコットランドが、国として経済的に自立してやっていけるのかどうかの方だった。

はっきりいってスコットランドには、さして大きな産業はない。そうした中で、スコットランド独立派が大きく期待していたのは、北海油田の存在だ。しかし、頼みの綱ともいえる北海油田も、ここ近年は年々生産量が減少しており、まさに先細りの状態にあった。

しかしスコットランドには、北海油田以外にもイングランドにはないものがある。それはスコッチウイスキーだ。そもそもスコッチウイスキーは、イギリスの法律でスコットランドで生産されたもの、と規定されている。このスコッチウイスキーは、イングランドはもちろんのこと、日本も含めて世界各国から超一級品の扱いを受け、絶大な人気を誇っていることは改めて説明するまでもないだろう。

大手メディアはまったく指摘しないが、スコットランドは、独立が実現した暁には、このスコッチウイスキーを戦略物資として扱う方針だったという。そしてもしそうなった場合には、スコッチウイスキーの価格高騰は、絶対に避けられなかっただろうし、日本の消費者に対しても大きな影響が及んでいたはずだ。

世の酒好きにとってみれば、今回の結果は、間違いなく喜ぶべきことなのだ。


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