西東京の多摩市内で、住宅が焼ける火事が頻発している。9月12日から20日にかけて6件発生。いずれも半径1.5kmほどの範囲内で火の気がなかったことから、連続放火と推測される。

今回の火事現場は最初の1件目以外、油を撒いたような跡があったが、兄弟誌「増刊大衆」で連載記事を執筆する元警視庁刑事の北芝健氏によると、

「犯人は現場にポリタンクを捨てています。しかしながら、指紋は出てきませんでした。手袋を使ったか、拭き取ったんでしょう。また、これを運搬する際、車を使用したと思われます」

しかも、油の量は現場を重ねるにつれ、増えていっているという。

「油を増やすことでどう燃えるか、いわば実験していっているわけです。諸々の状況から、知能があり、おそらく若者の犯行ではありませんね。大人、それも中年の域だと推察されます」

今回の6件の火事のうち、5件が建築中の住宅だったが、ここからも犯人像が浮かび上がると語る北芝氏。

「完成間近、もう一両日中にも出来上がろうかといった住宅が狙われました。これは被害者にとってショックが大きいですよ。犯人は、金持ち、特に家まで建てるような人に対して、ルサンチマン(憎悪)が色濃く出ています」

つまり、富裕者への嫉妬が激しい人物。自分の境遇は悪く、社会的ポジションは低いということだろう。

「また、この犯人は現場から近いところに住んでいる、土地勘があると考えられます。完成一歩手前の建物を物色しており、それを把握していますね」

究極的な暴力行為ともいえる放火。これ以上被害が出ないよう、一日も早い解決を祈りたい。

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