8月に出した拙著「教養としてのプロレス」(双葉新書)が3刷になりました。香港の雨傘革命にも注目ですが私の出版界での「教養革命」にも注目してください(大げさ)。

あの本の中でプロレスファンの醍醐味として「人生の答え合わせ」ができるという章を書きました。

《プロレスを長く見続けていると、長い人生の縮図をみることができる瞬間がたまにある。 自分の思い出と答え合わせができたとき、このジャンルを好きでいてよかったと感じる。》という趣旨。

周囲からすれば無駄なものでも、本人がそこに時間と熱を費やしていれば何がしかの答えや教養を得ることができると思うのです。これは他のジャンルでももちろん適応できる。阪神ファンのダンカンさんは今年の阪神について聞かれてこう答えていました。

《シーズンを通して成績が乱高下し、急降下した時の怒りや悲しみ、嘆きは自分の中に落としどころができている。阪神ファンとはそういうもの。時々の勝利がたまらない。「阪神ファン」はいわば“合法的な麻薬”ですよ。》※週刊ポスト10月3日号

ここまで味わい方を鍛えたら、もし阪神がとてつもない「ご褒美」をくれた日には感慨ひとしおだと思う。

さて、今週は大きな「人生の答え合わせ」物件がある。競馬の世界最高峰レース、フランスの「凱旋門賞」に日本から3頭が出走するのだ。

テニスの全米オープンでの錦織圭やサッカー日本代表を応援して「国際試合」の興奮が忘れられないニワカにこそオススメの一戦。

過去「凱旋門賞」をめざして日本から何頭も挑戦したが、あと一歩で無念の涙のケースや、思いもよらぬ惨敗のケースもあった。どうしても勝てない高い壁。

しかし今年のチャレンジャーの日本代表の3頭にワクワクするのだ。

だっていいですか、サッカー・日本代表はFIFAランキング「46位」(6月時点)でも日本のマスコミは「優勝も」と興奮してましたよね?

ところが今回日本から出走する「ジャスタウェイ」(牡5)は、ワールドベストレースホースランキング「1位」なのだ。

今年ドバイでとんでもない勝ち方をして一躍ランキングトップに立っている。日本馬が遂に凱旋門賞を制覇するのか?いけない、もう興奮してきた。

「ゴールドシップ」(牡5)はGI5勝の芦毛の怪物。そして最注目は3歳牝馬の「ハープスター」。 わかりやすくいえばハープスターは人間でいうと「10代のトップアイドルの女の子」。

このレースはベテランの男馬が59・5キロを背負わなければいけないのに対し、若手女子(3歳牝馬)は54・5キロ。その差5キロ。

昨年、日本のエース・オルフェーヴルを破ったトレヴという馬も3歳牝馬だった。「重量の軽さ」は凱旋門賞ではとても有利なのだ。今まで「3歳牝馬」に苦戦していた日本が、遂にこちらからも該当馬を育てあげた。

さぁ、歴史は動くのか。長年の答え合わせはできるのか?日曜夜、フジテレビで特番も放送される。

錦織級の注目です。

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