男性の平均的な要介護期間は約9年とも。家族に迷惑をかけず最期まで元気に過ごすための生活習慣とは!?

「長寿者の中には寝たきりや認知症の方もいます。こういった方々も含めた統計が平均寿命。一方、健康寿命とは、介護を必要とせず、自立した生活が何歳までできるか、ということです」(厚生労働省詰め記者)

いくら長生きしても、介護が必要であれば、家族の負担や医療費は増すばかり。

「厚労省も近年、健康寿命を延ばす、つまり寿命の質の向上を提唱していますが、健康寿命以上に平均寿命が延び、両者の差は開く一方です」(前同)

厚労省のデータ(2013年)によれば、日本の男性の平均寿命は80.21歳(女性は86.61歳)。これに対し、「健康寿命」は70.42歳(同73.62歳)で、9.13歳(同12.68歳)の開きがあるという(2010年のデータ)。

「男性は、晩年の約9年間を要介護状態で過ごしていることになります」(同)

長生きはしたいが、人の世話にはなりたくない。というわけで、100歳までピンピンに生きるための"健康寿命の延ばし方"を名医にアドバイスしてもらった。

「まず、行きすぎた清潔志向を正すべきです。床に落ちた物でも拾って食べてかまいません」

真っ先に、こうアドバイスをしてくれたのは、藤田紘一郎・東京医科歯科大学名誉教授(医学博士)。

薬用石けんや温水洗浄便座も使わない。バイ菌を退治しないこと」

それにしても、なぜ藤田博士はこんな意外とも思えることを言うのか?

「人が病気にならないように、体内では免疫が常に働いていますが、実にその約70%は腸内細菌の働きによるものです。この腸内細菌を活性化させるには、外から菌を取り入れ、刺激を与えることが必要不可欠なんです」(前同)

藤田博士は腸研究の第一人者で、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックス)の著書もある。

驚くなかれ、藤田博士は1日1個、土の中に潜む土壌菌が入ったカプセルを飲んでいるという。そのおかげで、70歳を過ぎた今も健康かつバイアグラ知らず。そんな博士が、腸内細菌を元気にする細菌がたくさん生きているということで勧めるのが発酵食品だ。

味噌、納豆などです。近年、ヨーグルト健康法が話題ですが、クエスチョンですね。確かにヨーグルトの菌はいいのですが、日本人が古くから食べてきた食品でない分、体質的に合わないこともありうるからです。それから食物繊維も積極的に摂りましょう。腸内環境が整い、腸年齢が若返ります」(同)

また、食事と言えば、長寿には粗食や菜食が良さそうなイメージがあるが、それは間違いだという。健康法に関する書籍を多数執筆する、志賀貢医師(医学博士)が勧めるのはステーキなどの肉だ。

「筋力の維持に欠かせない良質なたんぱく質を含んでいるので、寝たきり知らずの健康な体が保てます。さらに、肉に含まれているエラスターゼという酵素が、血液をドロドロにするコレステロールやカルシウムなどの成分を分解してくれるのです」

志賀医師は、60歳を過ぎても、最低週2~3日は肉を摂るべきだとも言う。

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