1969年、アポロ11号に乗ったニール・アームストロングとエドウィン・オルドリンが人類史上はじめて月に降り立ってから45年。現在、人類の宇宙開発の最前線は、地上約400キロ上空の国際宇宙ステーション(以後ISS)である。2013年11月、若田宇宙飛行士が2度目となるISS滞在ミッションに参加。約6カ月滞在したことは記憶に新しい。

そんな宇宙開発の最前線に、実は普通の民間人も行けるということをご存知だろうか。

アメリカのボーイング社は、9月17日、ISSに飛行士を運ぶ「宇宙タクシー」事業を米航空宇宙局(NASA)から委託された。その際、この宇宙船に一般客の乗船も認められていることを明らかにしているのだ。NASAの商業乗組員プログラムの幹部によると、2017年、今から3年後にはこの宇宙タクシー計画が実現するという。

気になる一般人のタクシー乗車(?)価格だが、現在ロシア当局が宇宙船「ソユーズ」で設定している商用価格に匹敵する、としている。

ではそのタクシー往復代はいったいいくらなのだろうか。
08年にISSと地球を往復したイギリスの富豪、リチャード・ギャリオット氏(PCゲーム『ウルティマ』の開発者)の“タクシー代”を参照すると、その価格は当時のレートでなんと約25億円! 東京・六本木にビルが6つほど買えてしまう金額を、いくら行き先が宇宙とはいえタクシー代で使うとは……庶民には信じられない話ではある。

アメリカの宇宙旅行企画会社、スペース・アドベンチャーズ社によると、そんな高額なタクシー代にも関わらず、歌手のサラ・ブライトマンさんが10日間のISS滞在に向け、来年1月にトレーニングを開始するという。

ちなみにこのスペース・アドベンチャーズ社、飛行機の上に載せた小型ロケットで100キロ上空(宇宙空間と認定される)まで弾道飛行し、3分間の無重量体験ができる旅行などを提供している。プチ宇宙旅行ともいえるこのフライトなら、1200万円ほどで体験可能だが、その金で早く家の35年ローンを終わらせたいと思うのは記者だけだろうか……。

まだまだ一般人には縁遠い宇宙旅行。だが明治時代には、海外旅行は一部の限られた人間にしか許されていなかった。そのことを考えると、今から100年後の2114年には、現在の海外旅行程度まで宇宙旅行が一般化しているかも……しれない。

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