好調狙い馬予想 薮中泰人
ワンアンドオンリーが万全も 池江厩舎の2頭も仕上がった


神戸新聞杯のワンアンドオンリーはケイコの動きに不満が残った。2週連続で併走遅れ、時計も当週は坂路53秒8と平凡。一杯一杯の手応えだった。

それが実戦では4F手前から早めに動き、直線でいったん出られた2着馬をゴール前で差し返す芸当。
これぞダービー馬のすごみがあった。
もっとも、追い切りの動きが悪くても橋口師は余裕綽々。
「ダービー馬のレースをご堪能ください」
と言っていたが……。

橋口師の自信は春よりもブレがないフットワークにあるか。そして体重増がなくても幅を加えた馬体は、見た目にもたくましかった。

「きついレースになったけど、意外と疲れはなかった」
は翌週に聞かれたコメント。レース1週間後からは坂路で大き目のキャンターをこなし、12日に坂路55秒7の初時計をマーク。
脚さばきには力感があった。二冠奪取は目前である。

相手筆頭はサトノアラジン。神戸新聞杯で横山典のワンアンドオンリーの直接攻撃を受けた馬だ。あの早まくりは
「これを負かせば勝てる」
との横山典の意志が見える騎乗だった。
結果的にはサトノの浜中は"踏み遅れた"形になったが、本番で好漢・浜中が意趣返しに出るだろう。
ヨーイドンでは分が悪く、早め先頭の競馬こそ理想。
3角過ぎからのロングスパートもあるか。前走の体調をキープし、持久力には秀でた馬。ワンアンドオンリーとの裏目の馬単もぜひ買いたい。

同じ池江厩舎のトゥザワールド、トーセンスターダムが3番手、4番手。トゥザはほぼ仕上がっていただけに上積みは少ないが、これも持久力勝負は歓迎。好位からの粘り込みがある。

トーセンは鞍上の武豊が魅力。
京都開幕週に3勝、翌日には毎日王冠を制し、一時のスランプを完全に脱している。
張りが物足りなかった馬体も叩いて上向き。一発があっていいムードだ。
あとはサウンズオブアース、ショウナンラグーン、ゴールドアクターに△。

(日刊ゲンダイ大阪記者)

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