たしかに、キモカワイイぬいぐるみかもしれない。しかし、これが日本のメーカーが作っていたら、さぞかし大ヒンシュクものだろう。だって、そのぬいぐるみのモチーフは『エボラウイルス』なんだもの……。

あらゆる情報が錯綜する『エボラ出血熱』。アメリカでは看護士が防護服を着ていたにもかかわらずに二次感染したことから、「空気感染するのでは?」と不安が広まった。結果としては世界保健機関(WHO)がエボラ熱に感染しても通常はせきやくしゃみは起きず、空気感染はしないと確信していると発表。理論的には、エボラ熱感染者のせきやくしゃみでウイルスが含まれたしぶきが近くにいる人の粘膜や傷口に付くことは考えられるが、このウイルスは本物の空気感染ウイルスのように遠くへ飛ぶことはできないとして、アメリカ国民をひと安心させたのだが……。それでも、エボラ出血熱流行国からの入国を5空港に制限するなど、余談を許さない状況が続いている。

それなのに、である。その一方では『エボラウイルスぬいぐるみ』が売れに売れ、オンラインストアでも、Amazonでも品切れ中の状態が続いている。
このぬいぐるみを販売しているのは、アメリカのジャイアント・マイクローブ社で、ここは以前から病原菌や微生物をモチーフにしたぬいぐるみを販売している、マニアには知られたメーカーだ。サイトを見てみると、そこにはカラフル。そして、ディフォルメされているものの、病原菌ぬいぐるみのオンパレード。以前からエボラウイルスのぬいぐるみは以前から売られていたのだが、今年に入って飛ぶように売れ始め、“Out of Stock”。つまり、在庫無しの表示がずっと続いている。ちなみにお値段は9ドル95セント(約1050円)という、妙に手を出しやすい値段。

また、同社のぬいぐるみ以外に、さまざまな面白グッズをオンライン販売しているカフェプレスでも、エボラTシャツを販売されており、現在、一番人気の商品となっているそうだ。他にもさまざまなエボラ関連グッズがありその数は318種に及ぶという。なお、その中にはエボラウイルスのイラストがプリントされたトイレットペーパーという、ある意味、使うのに勇気のいる商品もある。

どれもこれもアメリカンジョーク、といってしまえばそれまでだが、二次感染者が出ているのに、まだ決定的な打開策は見つかっていない。笑っていられるのはいつまでか……。

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