中国の都市部に旅行した人なら、街角で「成人保健」と看板を掲げた店を見たことがあるだろう。「成人保健」と聞くと薬局か何かのようにも思えるが、実はこの看板を掲げた店はアダルトグッズのショップなのだ。

店に入ると、カウンターのガラスケースや棚に並んでいるのは精力剤、コンドーム、そして女性用のバイブレーション。最近では男性用ダッチワイフもある。日本やアメリカ製のアダルトDVDもこっそり売っていて、客が言えば店員が店の奥から出して来る。

この「成人保健」、店が中国の街角で目立ち始めたのは十数年前から。しかし、「掃黄(ポルノ追放)」運動に熱心な共産党がなぜ、セックスショップが半ば堂々と営業するのを認めているのか?

習近平国家主席に直接聞いた訳でないので定かでないが、セックスを「補助」するこういった商品まで禁止することで、国民の不満が爆発するのを恐れているのかもしれない。深夜、寝室での夫婦の(最近は夫婦でないことも多いが)お楽しみぐらいは自由にさせてやろう、ということだ。

「成人保健」店によってアダルトグッズの知識が広まったおかげで、最近では日本に訪れるかなりの中国人旅行客が「大人のおもちゃ」の店に行きたがる。それも深夜12時過ぎに突然、というケースが多く、ガイドを困らせるのだが、彼らには強い味方がいる。ドン・キホーテだ。

ドン・キホーテの店の中にはアダルトグッズのコーナーがあり、その品揃えは専門店顔負け。中国人観光客も大満足で買い物を楽しんでいるという。中国政府と違って、日本政府が「夜のお楽しみ」を制限しないのは、出生率の改善が狙いかもしれないが(笑)。


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