優勝を逃したとなると、責任の所在は現場指揮官である和田豊監督になるが、今季が3年契約の最終年ということもあって来季の続投は難しいと見られていた。
「阪神の監督人事は在阪マスコミにとって最大の関心事ですからね。次期監督候補として、金本知憲氏や矢野燿大氏、元監督の岡田彰布氏ら阪神を代表する有力OBの名前が挙がっていました」(全国紙運動部記者)

なかでも2003年に阪神入りしてクリーンアップの一角を担い、チームを18年ぶりの優勝へ導いた"アニキ"こと金本氏を次期監督にと待望する声は大きい。
「野球解説者として活動する金本氏は、スポーツ紙で若手の上本博紀や梅野隆太郎を積極的に使うべきと持論を展開していました。その記事を見たのか、和田監督は若虎たちを積極的に起用。結果、2人とも中心選手として活躍するまでになりました。金本氏の選手を見る目はズバ抜けていますね」(スポーツ紙記者)

その観察眼を生かして監督へ一直線と思いきや、CSファーストステージの広島戦直前の10月10日、和田監督の来季続投が確定。この続投に一番驚いているのはファンだろう。
「甲子園に行けばわかるけど、2年連続2位となかなかの成績ながら、"和田辞めろ!"といったプラカードを持った阪神ファンは多い。今季ギリギリ2位になり、収入8億円とも言われるCS本拠地開催をもぎ取ったことで、首の皮一枚つながったというのが実情やな」(在阪テレビ局記者)
ファンの人気があまりにない和田監督だが、来オフには解任され、"金本内閣誕生"というのが、大方の見方だ。

「阪神の観客動員数は、実数発表を開始した05年から11年の7年間、巨人を抑えて首位でした。しかし、和田監督が就任した12年からはトップの座を巨人に明け渡すことになり、以来、一度も上回っていません。球団上層部も、和田監督では、お客さんを呼び戻すのは厳しいと見ているようです」(専門誌記者)

優勝翌年の06年がピークで、315万人を超える観客を動員した阪神だが、今季は約269万人と、全盛期に比べると46万人も減少。
「金本の連続試合出場が途絶えた11年には300万人を割る事態になりました。ファンも金本の活躍を見に行っていたと言っても過言ではない」(前同)
引退後はグラウンドを離れ、ネット裏から野球に関わっている金本氏。
「現役時代の実績も申し分なく、ファン人気も絶大。鉄人と称される野球への姿勢で、後輩からの信頼も厚い男や。ファンも選手も納得させる監督となると、金本しかおらん」(在阪スポーツ紙記者)

球団も、近い将来の監督候補として金本氏説得に動いている。
「金本は固辞したようやが、来シーズンの一軍コーチングスタッフとして"入閣要請"があったようや。今後も将来の監督候補という金本に対するフロントの位置づけは変わらん」(前同)
ファンも選手も球団も、甲子園でタテ縞のユニフォームを着る"アニキ"の気迫あふれる姿を待っている。

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