「手始めに、シーズン終了後、堂上剛裕、中田亮二、森越祐人ら10選手に戦力外通告を突きつけました。なかでも森越は、今年開幕一軍入りしており、年齢も26歳と若く、期待のホープと目されていた選手でした」(スポーツ紙記者)
確かに、結果がすべてのプロの世界。結果を出せなければ、チームを去るのは仕方ないが……。
「ただ、その通告の現場には、張本人である落合GMの姿がなかったんです。あまりに誠意に欠ける対応に、選手側もやるせない気持ちだったでしょう」(前同)

さらに、選手に留まらずその矛先はスタッフ陣にも向けられている。前出の中日球団関係者がこう語る。
「落合GMは、自分のやり方に盾つく球団関係者に、続々とクビを突きつけています。象徴的なのが、中日二軍寮・昇龍館の館長を解雇したことです」
中日の元選手である館長は、期待と不安を胸に抱え、球界に入ってきたばかりの選手たちに父親のように愛情を持って接し、選手からの信頼も厚かったという。
「しかし、館長は我が物顔で二軍寮の大浴場に頻繁につかる落合GMをよく思っていなくて、距離を置いていたんです。そうしたら、この10月半ばに突然クビを宣告され、すぐに退寮を求められたそうです」(前同)
本誌は以前、佐伯貴弘二軍監督の"選手締め出し一番風呂"を報じたが、二軍視察の際の落合GMにならったものだったのか――。

なお、後任には、落合人脈の人物が就いたという。
「しかも、後任の館長は二軍のコーチも兼任するんです。そんなことは、いまだかつて一度もありませんでしたよ。つまりは、二軍選手の監視役なんでしょう。選手からしてみれば、唯一リラックスできる場所が寮だったのに……」(同)
編成部門にいたK氏にも解雇通告が届いたという。
「K氏も中日の元選手で、当時、監督だった星野仙一さんに目をかけられ、監督付広報として球団に尽力してきました。ただ、星野さんと落合GMは、水と油の関係ですから、落合GMも彼のことを煙たく思っていたんでしょう」(同)

そして、その"血の粛清"が恐ろしいのは、標的が何も"反落合"に限った話ではないということなのだ。代表例と言えるのが、昨年オフに巻き起こった井端弘和の"クビ切り騒動"だ。
「井端は、ご存じのように"落合野球"の申し子的存在。落合GMが監督在任中の8年間で4度のリーグ優勝ができたのは、選手会長としてチームを引っ張った井端の功績が大きかったし、落合GMとは親密で、チーム内で"落合の息子"と言われるほどでした」(前出・スポーツ紙デスク)
そんな功労者に対しても、落合GMはオレ流を通した。
「井端は昨オフ、右足と右肘を手術したため、故障のリスクという理由で、契約更新の際に、年俸1億9000万円から、野球協約の限度を超える、実に88%ダウンの3000万円を提示したんです」(前同)
それを不服と思ったのか、井端は巨人に移籍することとなった。
強いチームを作るためには、ときに心を鬼にして冷酷な判断を下さなければならないこともあるのだろう。

しかし、本誌が9月8日号で報じた、独裁体制の弊害とも言える佐伯二軍監督による選手への暴行事件も起こっている。
「反落合派には次々とクビを突きつけているのに、落合GMが連れてきた佐伯が、選手に手を上げ病院送りにしても、口頭での注意だけですからね」(中日球団関係者)

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