NHKが、次年度(2015年度)からの3年間で約1000億円もの増収になる見込みなのだという。その最大の要因は、NHKサイドの説明によれば、受信料収入が大幅に増加することが予想されるためだ。

とはいっても、我々が払っている受信料が値上げされたわけではない。むしろ、2年前に値下げされたところだ。また、NHKの受信者が増えたわけでもない。

にもかかわらず、なぜ受信料収入が増加しているのかというと、支払率の増加を見込んでいるためだ。

この「支払率」とは、NHKを受信していると思われる人(世帯)のうち、きちんと料金を支払っている人(世帯)の割合を示したものだ。

改めて説明するまでもないと思うが、NHKの受信料は法律によって支払うことが義務づけられている。ところが、受信者全員が受信料を払っているわけではなく、今年3月末時点で、支払っている人は全体の75%程度にとどまっているのが実情だ。驚くべきことに、4人に1人が払っていない計算になる。

とはいってもNHKサイドも、そうした状況を放置しているわけではなく、集金人を数倍に増やすなどして、受信料の集金を強化している。

さらにここ最近では、悪質な未払い者に対しては民事手続き、つまり裁判手続きをとるなど、逃げ得を許さない方針を強く打ち出している。

こうした対策が功を奏し、ここ近年支払率はじわじわと上昇しつつあるのだという。

「支払率に関しては、毎年1~2ポイントずつ増加している」(NHK関係者)

そしてこの支払率の上昇が、大幅な増収に直結していることは間違いない。

ただし問題なのは、そうした“大幅増収”が、なかなか視聴者に還元されない点だ。

NHKサイドは増収分を「東京・渋谷の放送センターの建て替え費用に充てる」としているが、計画では、建て替えのために3000億円もの資金を投入するのだという。果たして、そんな豪華な放送センターが必要なのだろうか。

そんなところに多額のカネを使うよりも、受信料をもっと値下げすべきではないだろうか。


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