「宮沢経産相は地頭が悪い」

政治家とカネを巡る基礎のレクチャーに続いて、現在、まな板の鯉となっている議員の面々を斬っていただこう。
まず、"日本初の女性首相候補"として華々しく登場した小渕優子・前経産相。
「小渕さんが、虚偽の記載をしろと指示したのなら問題ですが、先代の小渕恵三先生(元首相)亡き後、政治資金の管理は地元秘書の折田謙一郎氏がすべて取り仕切っていたと聞きます。折田氏は、優子さんが小学生の頃から働いていた人物。信用して任せきりにしていたとしても無理はない。折田氏は意見をする者を全部飛ばして、イエスマンだけを置いていたといいますから、いわば独裁者ですよね。この人が問題なんです。恵三先生がご存命だったら、"こらっ折田、お前何やっていたんだ!"と怒鳴りつけられていたはず。残念でなりません」

永田町では、川に落ちた犬には石を投げ棒で突いて沈めろ――が常道。小渕前経産相へのバッシングは凄絶を極めた。
「たとえば、政治資金で地元特産の下仁田ネギを贈答品として購入。この政治資金には国民の税金も含まれており、税金の私的流用だとの批判を浴びました。ですが、これを問題とするほうがおかしい。私は、(地元)北海道特産品の鮭をよく贈り物として使ってきました。物心両面でお世話になった方々に、郷里の名産を贈ること自体には、なんら問題はありません。もちろん、地元選挙区内でやれば公選法違反となりますが、小渕さんの場合、そんなことは一切なかったといいますからね」

鈴木代表が続ける。
「政治の世界は"妬み・ひがみ・やっかみ"の世界。小渕さんのように"女性初の首相候補"と脚光を浴びると、それをよしとしない者が必ず出てくるんです。現に前回、少子化対策担当大臣で入閣(麻生内閣)した際には、何もバッシングはなかったでしょう。あの頃も折田氏が仕切っていたわけですから、経理はデタラメだったはずですよ」

一方、政治資金でスタッフがSMバーに行っていたことが発覚した宮沢洋一経産相の場合だが、
「彼が問われたのは、政治資金の流れを監督者である本人が、的確に把握していなかったということ。なのに、会見で"私はSMバーに行っていない"と釈明しきり。自己弁護に終始するのは、ピント外れもはなはだしい!」
と手厳しい。この宮沢経産相、同省が所管する東電株所有も発覚。これまた糾弾の対象となったのだが、
「この対応もピント外れです。大臣就任会見で、"私は、以前から東電の株を所有しています。今回、所管大臣となったので信託します。売買もできません"と、前もって話せばよかった。株を持っていたことに違法性はないのに、隠していたようになってしまった。彼は東大卒の偏差値エリートですが、"地頭(じあたま)"が悪いとしか思えませんね」

この宮沢氏と同様、"地頭"がよくないと鈴木代表が断じるのは、一連のスキャンダルの口火を切った松島みどり・前法相だ。
「彼女も東大卒の才媛ですが、政治家としての資質そのものに問題があります。うちわ問題で追及されるや、"いや~、うちわでしょうかねぇ~。取っ手があるから、うちわですかねぇ~"とノラリクラリ。バカ言っちゃいけませんよ! アレ、誰がどう見たって、うちわそのもの。往生際が悪すぎますよ」
鈴木代表は、追及された松島法相が間髪を入れず、
「これはうちわです。秘書が黙って配りました。国民の皆さん、大変申し訳ありませんでした」
とやれば、大問題とならずに済んでいたはずだと指摘する。

ちなみに、選挙期間中に個人名の入ったモノを、不特定多数の人に配るのは公選法違反となる。こんなことは、政治家のイロハのイだという。

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