米カリフォルニア大学バークレー校の研究者グループが、現在のペースで地球温暖化が続くと、今世紀末には稲妻の発生回数が激増すると発表した。研究では、2100年までに落雷が50%近く増えることになるという。

同校の研究者は、地球規模で今後予想される気温の上昇率などを踏まえ、今回の結論を導き出した。地球温暖化は空中での水蒸気増加を促し、激しい雷雨の発生条件が生じやすくなると指摘。
地上への落雷増加につながるとしている。

実際、日本でも落雷件数は近年、上昇傾向にある。今年8月、愛知県の男子高校生が野球の試合中に落雷を受け、死亡した事故が記憶に新しい。この事故を今一度振り返ってみたい。

今年8月6日、愛知県扶桑町の私立高校のグラウンドで、練習試合中の関係者から雷が落ち、1人がけがをしたと110番通報があった。落雷の被害にあったのは投手としてマウンドに立っていた同校2年の男子校生。病院に運ばれたが、翌未明、死亡した。
調べによると、この日昼過ぎ、雨が降り始め、練習試合を中断。5分ほどして晴れ間が見えたとして、試合を再開したが、その直後、光とともに衝撃音がしてマウンドにいた男子校生が倒れていたという。
マウンドの高さは40センチほど。グラウンドの周囲には12本の避雷針があったにもかかわらず、このような悲劇は起きてしまった。

日本の落雷事故による死亡率は異常に高い。2005年時点の世界平均では、落雷事故の全被害者のうち死亡者は30%とされているが、日本では被害者の70%が死亡している。その事故のほとんどが木を直撃した雷が幹から周囲に放電する「側撃雷」が原因。これは日本の場合、雷が鳴ったら木の下に逃げればよいと思い込んでいる人が多いためだ。直撃雷の死亡率が80%であることを考えると、死亡確率はかなり高いといえるだろう。

雷の語源は「神鳴り」。本物のカミナリ様はコントのそれのようにおっとりとはしていなそうだ。

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