大手紙記者愕然の被災地警察

同じ関西の京都府警も人口比の暴力団検挙数が多く、全国2位。2010年には、山口組ナンバー2の髙山清司若頭を逮捕したことでも話題となった。
ちなみに、その山口組の総本部が置かれている兵庫県の人口10万人あたりの暴力団員検挙人数は、約20人で9位、山口組"本家"がある愛知は約27人で5位となっている。

この大阪、愛知、兵庫が同じく上位にランクインするのが、交通事故発生総数。人口で圧倒的に多い東京都よりも、愛知、大阪が上回る事態となっているのだ。

事故の発生は必ずしも、警察の取締りが直接反映されるわけではないが、交通取締りには都道府県ごとの性格が色濃く表れる。
「人口比での取締り件数は都道府県によって驚くほど差が出ます。無免許運転では、沖縄が断トツで、2位・山梨、3位・和歌山、4位・奈良の2倍以上。これは、東日本ではかなり低い数字となっています。また、飲酒運転の取締り件数も沖縄が1位ですが、2位・和歌山、3位・徳島の4倍以上になっています」(交通ジャーナリスト)

西日本における交通違反件数の多さは他の違反でも同様で、「信号無視の取締り件数では大阪が圧倒的で、2位・広島、3位・岡山の3倍以上。一時停止違反の取締り件数では、1位・山口、2位・岡山、3位・佐賀となっています」(前同)

このように、取締り件数から全国の警察の傾向が読み取れるが、一般市民の目に見えない部分でも各警察組織の差があると語るのは、全国紙の社会部記者だ。

「11年の東日本大震災直後、人手が必要だということで、会社命令取材で岩手、宮城、福島に応援に入ったんですが、その際の3県の捜査員はひどいものでした。未曾有の災害ということもありましたが、それを差し引いても、それぞれが慌てて何をしていいのかわかっていない状況。全国から応援に来た警察官に対しても、指示を出すこともできず、ただ待機させているという場面をよく見ました」

このとき、警視庁や大阪府警、神奈川県警など都市部の警察官の動きは際立っていたという。
「やはり、都市部の警察官のほうが普段の仕事量も多ければ、その内容も多岐にわたるため、目の前の仕事や事象だけでなく、マスコミにもテキパキと対応できていましたね。地元3県の警察官と同じ作業をしても、速さと正確さにかなりの差がありました」(前同)
ちなみに、大阪府警担当の経験がある別の全国紙記者は、「問題や不祥事が多いと言われる府警ですが、このときの動きを見て見直しました。あるとき、府警の警察官が同じ年齢の地元警察官に仕事のやり方、手続きの仕方を教える場面があって、新人とベテランほどの違いを感じました」

何はともあれ、我々の生活を守る警察官だけに、彼らの仕事向上を願うとともに、地元警察組織のことを少し調べてみるといいかもしれませんよ!

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