ネット上に数多く存在する嫌韓派だけでなく、ジャーナリストを標榜する人物も「日本では5万人の韓国人売春婦が暗躍している」というフレーズをしばしば使う。この数字の根拠は、2010年10月、韓国ハンナラ党の国会議員パク・ソヨン氏の「日本で韓国国外で売春を行っている韓国人女性は10万人以上に達し、そのうち5万人が日本で売春を行っている」とした発表にある。 しかし、本当に5万人もの売春婦が日本に存在しているのだろうか? その実態を探るべく、2014年10月24日に「日本人が知らない韓国売春婦の真実」(宝島社)を上梓した著者・中村淳彦氏に話をうかがった。

――日本で働く韓国人売春婦は増えているのでしょうか?

それはむしろ逆。2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災でほとんどの売春婦は韓国に帰ってしまったようです。ピークは90年代後半から2000年代前半。ゼロから取材を始めてわかってきたことだけど、売春の問題って意外とシンプルで、通貨が高いところで女を売る、ってことだけ。だから、為替に合わせて東アジアで女がぐるぐる回ってるだけなんです。今はソウルで売春した方が稼げるから、韓国からわざわざ日本に来ないんです。


――韓国人がブローカーをして韓国人が経営する、っていう店が多いですか?

日本人がやっているケースもあるだろうけど、それはレアケース。基本的に韓国は売春婦を輸出するのがうまい国じゃなくって、女衒を輸出するのがうまいんだよね。国が分断された歴史があって、全世界に朝鮮人が散らばっている。で、日本なんかより情報が国際的なの。それで、朝鮮人を頼って、ベトナムやフィリピンにまず、女衒が入って現地で起業して、ベトナム人の女を管理して売春したりする。東南アジアでは韓国式のやり方で、現地の女の子を雇うのが多いみたい。

――その「女衒」というのも、元売春婦で、自分で独立した人?

そうそう。

――「ママ」体質なんですね。そこが外部から見るとイメージしづらいところです。普通、風俗店を経営するのは男、と思い込みがちですが?

その思い込みも日本独特で、日本の女の子が独立心がなくて、男に利用されてナンボっていうのは国際的にみたら特殊なんです。やっぱり、女は女の方が管理しやすいみたいです。むちゃくちゃ厳しくて、徹底的に売らせる。あと嘘を許さない。だいたい男が管理すると誘惑されたりして、ちょっとミスるらしいです。

――確かに西部劇に出てくる売春宿も、経営者はみな女性ですもんね。

ママは、来日したらまずパスポートを取り上げる。そしてパスポートの期限90日が切れるまで、3ヶ月みっちり働かせるんです。

――女性は韓国からブローカーに売られてくるんでしょうか?

韓国系と中国系で経営のやり方が全然違ってて、韓国人のママは、全部投げるみたい。コンサルティングを入れるわけ。お金だけ払って、自分は管理するだけ、というスタイルをとる。自分が産まれた釜山だったら、釜山の裏金融業者がブローカーなんだけど、そこにコンサルティング代と女の子の前借金分を払って、90日売春させる権利を貰う、ってやり方。韓国デリヘルって女の子の搾取額が少ないから、150万払ってブローカーに1人連れてきてもらう。女の子は先にお金を貰ってるから、日本では日当はそんなに貰えてないんじゃないかな。日本に来たらタコ部屋だからね。

――風俗店の場所はどこが多いのでしょう?

不思議と韓国人の売春宿って、新宿や新大久保にはほとんど存在しないの。大塚と鴬谷。池袋もそんなにないみたい。大久保は2002年日韓W杯の後に、韓流ブームで流れてきた人達ばっかりで、売春関係者はあんまりいないみたいです。


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「日本人が知らない韓国売春婦の真実」vol.1
「日本人が知らない韓国売春婦の真実」vol.3 12.19公開予定

PROFILE  中村淳彦 1972年生まれ。ノンフィクションライター。代表作「名前のない女たち」(宝島社)が累計35万部のベストセラーになり、2010年には映画化。「日本の風俗嬢」(新潮新書)は各メディアで書評が取り上げられ、週間一位書店が続出。最新刊は「ワタミ渡邊美樹日本を崩壊させるブラックモンスター」(コア新書)

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