ユリ・ゲラーひさびさの来日でスプーン曲げブーム再燃必至!

8月の終わりに超能力者として名高いユリ・ゲラー氏が来日して、その代名詞でもあるスプーン曲げをマスコミの前で披露した。取材に行った記者によれば、見事にスプーンは曲がり、その力はいまだ健在なことを見せつけたという。

ユリ・ゲラー氏を知らない読者のために簡単に説明しておこう。彼は1970年代に、超能力者として有名になり、世界的に超能力ブームを巻き起こした人物だ。彼を有名にしたのは、念力でスプーンを曲げるという技で、そのインパクトは絶大だった。そのため現在にいたるまで様々な人が超能力を示す方法として使っているほどだ。

その他にも彼はテレパシーや透視能力などの超能力があると話している。余談だが、ゲーム『ポケットモンスター』に登場するエスパータイプのポケモン『ユンゲラー』のネーミングも彼に由来している。

さて、そんなユリ・ゲラー氏の登場は日本でも超能力ブームを巻き起こし、日本全国に超能力少年や超能力少女が名乗りをあげた。そんなブームの中から、日本人超能力者としても最も有名な清田益章氏なども世に出たのだ。

実は日本で超能力がブームになったのは、このときが初めてではない。
それは今から100年以上も前、明治時代の終わり頃の話だ。この超能力ブームは、"千里眼"(透視やテレパシーなど念写のような能力)を持った人たちが現れて社会現象となり、東京帝国大学や京都帝国大学(現在の東大や京大)の学者が実際に公開実験などを行ったのだ。

この実験に参加したのは御船千鶴子や長尾郁子という女性たちだった。彼女たちは厳重に封をした手紙の内容を読み取ったり、心に思った文字を写真乾板に映し出すといった実験を行った。

その結果は一見すると成功したかのように見えた。そして、一部の科学者たちは実験は成功したと発表。「しかし、別の科学者は、この実験方法に不備があり、彼女たちがインチキをしていたのではないかと疑問を投げかけ、その真贋を巡り、新聞、雑誌などのマスコミを巻き込んだ論争になりました」(科学誌記者)

結局、この論争はマスコミが実験に参加した科学者や女性らを激しく非難。実験に参加した御船が自殺するなどしてしまったため、騒動は真贋が不確かなまま鎮静化していった。
「その約100年前にあった超能力ブームの時に登場した御船や、そのすぐあとの大正初頭に現れた高橋貞子という千里眼能力者は、後に数々のドラマやフィクションのモデルとなったんです」(前同)映画にもなったホラー小説『リング』では、彼女らがモデルとなって、あの"貞子"というキャラクターが創作されたのだ。

実は当時と同様に、現在もユリ・ゲラーや清田氏の超能力については懐疑的な意見も多い。そして100年経った今も超能力が存在するのかは、実証されてはいないのが実情だ。
今も昔も世界中で何度も熱狂的な超能力ブームが繰り返され、"自称"超能力者がもてはやされるのは変わらない。その真贋はともかく、人々が"超能力"の存在を心から願っているのは間違いないのだ。

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