中日ファンに謝罪した星野氏

だが、主力選手2人の反逆は、今後"蟻の一穴"となる可能性を秘めている。
ベテラン野球記者の江尻良文氏が言う。
「チームの味方のはずの『東京中日スポーツ』が2度にわたって、今回の問題を一面に持ってきて〈怒りの大島「調停の覚悟ある」〉〈大島・平田、年俸調停必至〉などの記事を書いた。どちらかといえば、球団の立場よりも、選手の立場に立った記事であることに驚かされました」
いわば、身内からの落合批判。加えて、これまで沈黙を守ってきたOBたちも、ここにきて落合批判の声を上げ始めた。

特筆すべきは、元中日監督の闘将・星野仙一楽天シニアアドバイサーの"謝罪"だろう。
11月16日の『サンデードラゴンズ』(CBC系)に出演した星野氏が、その中で「(今のドラゴンズは)名古屋の文化をないがしろにしている」「中日OBがガンガン言っていかないといけない。文句じゃなくて提言を!」と、苦言を呈したのだ。
「星野さんの発言は、中日OBの間でも話題になりました。番組では、自身が監督のときに実施した"1対4トレード"で落合を中日に呼んだことについて"今考えれば、こりゃ失敗だった"と言い、返す刀で"だって落合GMがいろいろ動かしているんだから"。最後には"(トレードで落合を中日に呼んで)皆さん、すみません"と皮肉まじりに謝罪までしたんです」(前出・中日OB)

また、中日でコーチ、監督を歴任した山田久志氏もいる場所で「落合はGMという仕事を間違えている」と口にしたという。
こうした空気の変化を敏感に感じているのが、谷繁元信監督だろう。一心同体と思われた落合GMとの間には、今季シーズン途中から隙間風が吹き始めていた。
「谷繁監督も"このままチームが負け続ければ、自分のクビが切られる""補強もなく、俺はGMに利用されているだけではないか"と考えるようになったそうです。ただコーチ陣に心を許せる相手がおらず、苦しい胸の内を話せるのは元バッティングピッチャーで今、用具担当の平沼定晴さんだけだそうです」(前同)

昨年、監督として4年契約を交わした谷繁監督だが、選手としては来シーズンを最後にグラウンドを去る腹づもりだという。
「谷繁は来季、ノムさん(野村克也氏)が持つ出場試合記録3017を達成して、選手を辞めるつもりです。ただ、2年連続Bクラスでは、契約途中での監督解任もありうる。むしろ、落合GMはそれを機に監督復帰を狙っている節がありますから、谷繁も"もうGMの顔色は気にしない。来年は自分のやり方で勝ちにいく"と言っているそうです」(中日球団関係者)
次々と翻る反旗。落合GMの胸中や、いかに――。

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