12月2日、芝浦工業大学は、気泡の圧力を利用した新しい“針なし注射器”の開発に成功したと発表した。この針なし注射器を使えば、なんとあのチクリとした痛みを伴わずに試薬や遺伝子までも体内に届けることができるとしている。開発者は機械工学科の山西陽子准教授。

実はこれまでも針なし注射器は存在していたが、従来の針なし注射器はバネの力で液体を高圧で発射し、皮膚を貫いて筋肉に薬剤を投与するため、神経を傷つけたり多少の痛みを感じるなどの問題があった。要するに方法が違うだけで、従来の注射と変わらず”痛い”のである。

しかし、今回開発された新型の針なし注射器は、直接皮膚に押し当てるだけで注射することができるという。高速で発射した気泡がはじける力で皮膚に微細な穴を空け、試薬を目的の場所に輸送、穴の大きさはわずか4マイクロメートルであるため、細胞へのダメージも少ない。ちなみに1ミリが1000マイクロメートルだから……その小ささがおわかりいただけるだろうか。
しかも痛みがないうえ、注射技術の習熟度も関係なく使用できるという優れものだ。早い実用化を期待したい。
 
この新型・針なし注射器のニュースは、お隣の中国でも話題となった。中国の投稿サイト・微博(ウェイポー)では、「世の中のママたちは、子どもが注射のとき泣きわめく心配をする必要がなくなりそうだ。針なし注射器の開発した女性研究者はまさしく女神だ」と高く評価。「日本人の発明は社会の役に立つものばかりだ」「日本人は人類の希望だ」などと賞賛の声があがっている。少々、持ち上げするな気もするが……もしかして中国人は痛がり屋さんだったのか?

予防接種では、鼻からスプレーするタイプのミストワクチンの国内認可が待たれている。注射が「怖くない、痛くない」のが常識となるのも、そう遠くなさそうだ。

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