自動車に自らの体をわざとぶつけ、法外な金を要求する当たり屋。だが最近、自動車ではなく、自転車に対する当たり屋が急増しているという。なぜか?
「現在、多くの車に車載カメラが搭載されるようになり、当たり屋たちの"演技"が映像に残り、バレるケースが出始めた。そこで、連中が目をつけたのが自転車というわけです」(警察関係者)

その背景には、近年、通勤に自転車を利用する"チャリ通族"の増加がある。
「戦後復興の象徴的存在だった1950年代の第1次ブーム、64年の東京オリンピック前後に起きた第2次ブーム、それらに次ぐブームです」(情報誌記者)
運動不足解消や通勤代を浮かせる金銭的な理由で、自転車通勤をする人も多いが、それに加え、
「東日本大震災も大きなきっかけとなりました。電気を使わない乗り物を利用したいエコ派の増加に加え、交通機関の麻痺を経験したことで、自転車を利用する人が増えたんです」(前同)

自転車の保有台数も、一貫して増加傾向にある。
「08年に国土交通省が発表した数字は約8700万台で、自動車よりも1000万台も多い。しかも現在は、それ以上に自転車が増えていると言われ、犯罪者たちはそれを標的にしているようです」(全国紙記者)
では、その手口とは?
「警察庁の調べでは、自転車関連の事故は、〈出合い頭の衝突〉が全体の53%を占めています。その衝突を期待して、曲がり角や細い路地に待機したり、なかには、子どもや老人を使って、通りかかった自転車にわざと接触させて、"示談"と称して大金を巻き上げるケースが目立ちます」(前同)

また最近は、禁止されているスマホや携帯電話を操作しながら、または音楽を聴きながら自転車に乗る人を標的にするケースも。
「自転車側に非があるうえに、当たり屋という証明がほぼ不可能。格好の"餌食"だよ」(事情通)
また、車と違い、自転車は専門の保険に入っている人がほとんどいないのを、逆手に取るのも特徴だ。
「"警察に連れて行かない代わりに、今、ここで病院代を払えば、勘弁してやる"と脅かされれば、保険に入っていない人は、つい支払ってしまう。また自転車の場合、女性や子どもが"加害者"となってしまうケースも多く、事故を大ごとにしたくない"弱み"につけ込まれることも多いといいます」(前出・警察関係者)
細い道や曲がり角には、くれぐれもご注意を!

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