便利なことは、はたしてよいことなのだろうか? たとえばGPS。コレって、ようは今どこにいるかわかってしまうことでしょう? つまり仕事もサボれないし、浮気もバレてしまうってことでしょう?
そしてSNS。イロイロな人とつながることができるのはよいことか? 自分をさらけ出すということは、それだけバレるということ。たとえば『秘密基地』からGPSを起動させたまま通信したら? もはやそれは秘密でもなんでもない、タダの基地になってしまうわけだ。

そんな「まさか!」なことが起きた。しかも、イラクとシリアで活動するサラフィー・ジハード主義のテロ組織『イスラム国』が、“やってしまった!”のである。
同組織の戦列で戦っているニュージーランド市民がツイッターの投稿によって思いがけなく戦士たちの拠点を暴露していた。そう、ジオ・タギング機能によって、投稿元の場所が筒抜けになっていたのだ。気付いた本人が45通の投稿を削除したというが、専門家の分析で戦士らの拠点が『イスラム国』の最重要拠点であるアル・ラッカ市からも程近いシリアのアル・タクバ市の民家にあることがわかってしまったのだ。

なぜ、こんなことが起きたのか? それは『イスラム国』が普段からSNSを活用しているからである。
たとえばプロパガンダの発信や、接触しようとする人物とより個人的に連絡を取り合うためにツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用しているのだ。つまり、“今風”なのである。さらにネット上で戦闘員募集を展開することで、西側からシリアに引き寄せられる過激な若者たちが増えているとか。
合理的といってしまえば、その通りだろう。しかし今回の一件も便利がために発覚してしまったようなものであり、詰めが甘かったのは明白。便利なテクノロジーも使いようってことである。

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