減塩しても血圧は下がらない

14年は人間ドック学会が健診基準値を緩和したことが話題を呼んだが、特に注目されたのが血圧の数値。
「高齢者は血圧がやや高めのほうが生存率が高くなるという研究があり、WHO(世界保健機関)も、80歳を超えて元気な人は血圧が180以上だったと報告しています」(健康誌記者)

さらに、高血圧対策にも疑問点が潜んでいた。
「"減塩が健康に効く"と思われていますが、塩分を減らしても血圧が下がらない、食塩非感受性高血圧の人は多いんです。塩分を減らしたことで血圧が下がる人は100人に1~2人という研究もあります」(前同)
とはいえ、
「塩分過多の食事は、腎臓病や胃がんの発生率が高くなります。塩分はあまり摂らないに越したことはありません」(牧氏)
というから、しょっぱい物はほどほどに。
血圧と同様に気になるのが、悪玉コレステロール。血管にへばりつき、動脈硬化の元凶とされている。

そこで、"低コレステロール"な食事を心がけ、極端なケースでは卵を食べないという人もいるが、これも間違った健康法のようだ。
「卵は悪玉コレステロールを体外に排除するレシチンを多く含みます。アミノ酸バランスがいい卵は、1日に1~2個食べたほうがいいぐらいです」(前同)
最近は食品の有効成分を凝縮した"健康サプリメント"も簡単に入手できるが、頼りすぎるのは禁物だ。
「食品として食べると効果がある成分も、サプリにすると、マイナスになるものがあるんです」(前出・黒木氏)

その典型はニンジンなどに含まれるβ(ベータ)カロテンだ。胃がんや肺がんの予防効果が注目され、健康食品として出回ったが、その後、がんを誘発する可能性があるとされ、ブームは冷めた。
「食品の効果成分の研究は進んでいますが、摂取しすぎると、どんな作用が出るかについての研究は、意外となされていません。また、ある種のハーブティやサプリメントは、抗がん剤の効果を弱めることも。抗がん剤治療を受けている方は、医師に何を飲んでいるかを報告しましょう」(前同)
新しい健康法にはすぐ飛びつきたくなる。しかし、かえって健康を害することもあるのだ。振り回されないようにしよう。

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