交番に駆け込んでも民事不介入で…

今年の9月の出来事。50代の会社員の上司と部下の計3人は、午後9時頃、新宿・歌舞伎町に飲みに来た。行きつけの店の馴染みのホステスの入店が遅れるというので、1時間ほど、どこかで時間を潰すことにした。
すると呼び込みに「1時間8000円」と声をかけられ、雑居ビルの5階にあるキャバクラに入った。
席につくと、女の子が何人も入れ替わって飲み物をねだった。だいたい1杯1000円が相場だろうと思ってOKしたが、1時間後に帰ろうとして請求書を見てビックリ。代金は、なんと115万円だった。
明細は、女の子のドリンク代1杯1万円×80杯+8000円×3人=82万4000円。これにTAX+サービス料が40%ということで、計115万3600円ナリ。

当然、会社員たち3人は抗議した。すると黒服は豹変し、
「この野郎、払え」
と脅かされた。会社員たちは粘り、午前零時過ぎに、ようやく1人だけ監視つきで外出を許された。
近くの交番に駆け込み、事情を説明したが、"民事不介入"ということで取り合ってもらえず、店に戻った。
再び「この野郎、払え」と脅かされ、結局、25万円で手を打ち、明け方近くに、同じビルの1階コンビニのATMで25万円下ろして払い、解放された。
監視つきとはいえ、交番に行かせるとは意外だが、
「警察が手を出せないことをわかったうえで、逆に客に諦めさせるために許したんだと思います」(全国紙社会部記者)

だが、その直後の10月9日の夜のことだ。この店の経営者の男(41)ら男3人が、都ぼったくり条例違反で警視庁新宿署に逮捕されたのだ。1人で飲みに来た客(45)に、約63万円を要求したというもの。
「客がATMからカネを引き出させられる際、機転を利かせ非常用ボタンを押したため、警官が駆けつけました。この客は店に1時間いたが、下戸で酒を一滴も飲んでいないこと、"支払わないと(拳銃で)弾くぞ"と脅されたため、逮捕に至ったようです」(同)
最近、歌舞伎町では、看板を出していても、ボッタクリをやる店が目立つという。呑んべえはご用心を。

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