好調狙い馬予想 薮中泰人
実力侮れないTベストプレイ


2015年の競馬は早くも3週目に入る。芝2400メートルで争われる日経新春杯が日曜京都のメインだ。

昨年は池江厩舎のサトノノブレスが逃げ切ったが、今年も連覇を狙って出走予定。少し甘さが残るが、先行・差し自在の脚質。馬券圏内にはきっちり食い込んでくるだろう。

しかし、狙ってみたいのはタマモベストプレイだ。比較的人気になりにくいタイプだが、その実力は侮れない。3歳時は3冠にすべて出走、暮れの有馬記念でも5着に食い込んでいる。4歳時の昨年もジャパンカップに挑戦。力強く先行し、直線入り口まで見せ場を作っていた。

母ホットプレイと父フジキセキの配合相性の良さは知られるところだが、重賞勝ちもある兄タマモホットプレイ、オープン特別勝ちがあるタマモナイスプレイは主戦場がマイル近辺。対して弟ベストプレイはいい意味のズブさがあって距離が持つ。

兄弟の類似点をいえば京都コースとの相性の良さか。ホットプレイはスワンS、シルクロードSと重賞勝ちが2つあるが、ベストプレイもここまできさらぎ賞勝ちを含む3勝。トータルで﹇3111﹈の好実績だ。

唯一の着外は大きな不利があった菊花賞の8着だけ。今回と舞台が同じだった昨秋の京都大賞典ではラストインパクトとクビ差接戦2着の実績もある。昨年暮れの有馬記念は除外になったが、すぐさま目標をここに切り替え、乗り込みも入念。

大晦日の58秒5を含めて3本の坂路時計を出し、素軽い動きで好調をアピール。あと2本きっちり追えれば完璧に仕上がるだろう。粘りがある先行力から抜け出す競馬に期待が高まる。

穴で狙っておもしろいのは牝馬のコウエイオトメだ。
京都コースの2000メートル超の舞台に実績があり、10戦6連対。昨年の日経新春杯でもコンマ5秒差の4着と健闘している。牝馬でも冬場に強く、この時期でも毛ヅヤがいい。軽ハンデが見込めるだけにその末脚は脅威。一発駆けがあっていい。

同じ日曜日に中山では3歳馬の重賞、京成杯が行われる。関東馬が優勢ムードだが、関西馬にも期待馬がいる。昨年31勝と躍進が目立つ高橋忠厩舎のクラージュシチーだ。
前走の東スポ杯は思ったほど弾けず5着に敗れたが、潜在能力の高さは10馬身差で勝った2走前の未勝利戦が証明するところだ。初年度から活躍が目立ったハービンジャー産駒だが、もちろん真価発揮は3歳以降。中山2000メートルの舞台設定も持久力がある脚質にマッチする。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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