フランスの新聞社襲撃事件で「表現の自由」がクローズアップされている昨今だが、中国では、あるドラマをめぐって視聴者から「表現の自由」が叫ばれているようだ。

そのドラマとは、昨年12月から湖南衛星テレビで放映が開始された時代劇「武媚娘伝奇」で、中国史上唯一の女帝「武則天」(唐時代の女帝で、日本では則天武后として有名だが、中国では一般的に武則天と呼ぶ)を題材にしたものだ。

近年、中国一の美人女優として知られ、「Xメン」などでハリウッド進出もしているファン・ビンビンが主演の人気ドラマだが、なんと放送開始からわずか1週間(中国ではドラマは毎日放映される)で放映が一時中止に。理由は「技術的な原因」という曖昧なものだったが、元旦から無事に放映が再開された。

すると、ファンには放映中止の「本当の」理由がはっきりと分かった。それは、主演のファン・ビンビンの艶めかしすぎる胸の露出度にあった!

12月には見られた彼女の豊満な胸元が、再開された映像では顔のアップだけで首から下はカット、修正されていたというのだ。唐代の服装は、中国歴代王朝の中でも露出度が高いと言われ、ファンの期待が大きかっただけに、不満の声も高らかに上がった。

武則天は、皇帝の後宮に入ったが、皇帝の死後、出家したにも関わらず皇太子の寵愛を受け、女帝にまでのし上がったという数奇な運命の持ち主。その妖艶な美貌で皇太子を虜にするシーンはもとより、後宮での陰謀に巻き込まれて毒殺されそうになったり、首を絞められたり、拷問されるなど、視聴者はハラハラ。中国当局としては、検閲の目を光らせるネタ満載の題材だ。

日本でもウーロン茶CMで有名なファン・ビンビン。中国全土を巻き込む騒動となったその妖艶な胸元を、同ドラマでもっと見ることはできないだろうか。

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