もはや敵なしにさえ見える総理に待ったをかけるのはやはりこの男――。復讐の極秘計画を独占キャッチ!


年が明けたばかりの2015年1月1日に、石破茂地方創生担当相が発した言葉が、永田町に大きな波乱を呼んでいる――。
「総裁選出馬など、そんな争いをしている余裕は日本にない。"俺が、俺が"という気持ちは、今の私にはありません」(石破氏)

今年9月の自民党総裁選が、石破氏にとって政治家人生最大の勝負時だと大方の永田町関係者は見ていた。
「目下、安倍晋三首相の最大のライバルと言える石破氏が、年頭所感でいきなりの白旗宣言ですからね。安倍政権の盤石ぶりを象徴する発言と言えます」(全国紙政治部デスク)

こうした石破氏の心境を自民党中堅議員がこう語る。
「安倍首相がよほどの大失態をやらかさない限り、9月の総裁選での勝ち目はないと、石破さんは判断したわけです。ハナから勝ち目のない戦に打って出て負けてしまえば、その後は冷や飯食い。ならば、今は首相を支えて力を蓄えるべき時期だと判断したんでしょう」

ただ、自民党は結党以来、良かれ悪しかれライバル同士が切磋琢磨してきた政党であり、それが党の活力を生んできた側面もある。
「それゆえに、石破さんの白旗宣言は多くの気骨ある自民党議員の落胆を誘っていますね」(前同)

石破氏までも怖じ気づかせる安倍首相の覇道は、すさまじいのひと言だ。
「昨年12月の大勝負、総選挙で歴史的大勝利を手にしたかと思えば、その余韻も醒めやらぬまま、最大のライバル・石破氏までも軍門に降したわけですからね。もはや安倍首相にとって、恐いものは何もありません」(自民党番記者)

まさに、"天下人"たらんとする安倍首相。己の地位をより盤石なものにするべく、さらなる野望を剥き出しにしているという。
「自民党総裁の任期を現行の連続2期6年から3期9年まで延長しようと画策しているそうです。現行の自民党総裁選規程に従えば、安倍総裁(=首相)の任期は、今年9月に再選した場合、18年9月までです。それを3期まで任期を延長すれば、最大21年9月まで総理を務められることになる。この野望が成れば、首相自身が招致に尽力した東京五輪を仕切る栄誉を手にし、名実ともに名宰相の名をほしいままにできます」(ベテラン政治記者)

準備は着々と進んでいる。
「まずは派閥の"乗っ取り"です。安倍首相は清和研(町村派)所属。領袖は町村信孝氏でしたが、彼は首相と折り合いが悪かった。それで、昨年末の衆院選後に町村氏を衆院議長に就任(=慣例により党籍離脱)させ、後任に首相に近い細田博之氏を据えた。これで清和研は事実上の"安倍親衛隊"になった」(前同)

それと同時に、先の総選挙で初当選した新人議員15人中5人、つまり3分の1の囲い込みにも成功。

「さらに、鳩山邦夫・元総務相が率いる『きさらぎ会』の籠絡にも着手。すでに同会は安倍首相の傘下に入ったと、もっぱらです。実際、鳩山会長は"同会を党内最大の親・安倍勢力にする"と、周囲に吹聴しています。恥ずかしげもなく、オベンチャラを振りまいていますね」(同)
今の永田町は自民党1強体制のみならず、"安倍1強"体制にあると言っても過言ではない。

しかし、盤石に見える安倍政権にも弁慶の泣き所はある。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「9月の総裁選まで、政権の運営において山場を幾度となく迎えますよ。たとえば急激な円安です。円安の影響で、3月の決算期に中小企業の倒産が続出する事態も予測されます」

4月には、統一地方選が控えている。不況にあえぐ地方票の大反発も、これまた十二分に考えられる情勢なのだという。
「5月に入れば、首相悲願の集団的自衛権の審議と法整備といった難関も待ち構えています。昨年、同法案の審議で国会が紛糾した際、安倍政権の支持率は最大10ポイントも急落。同様の事態となれば、政権の土台も大きく揺れ動くでしょう」(前同)

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