好調狙い馬予想 薮中泰人
インカンテーション巻き返す


3場開催の今週は、各競馬場でそれぞれ重賞が組まれている。

馬券的に面白いのは日曜日、中京で行われる東海Sだ。ダート1800メートルの舞台設定は、昨年暮れに行われたGⅠチャンピオンズCと同じ。勝ち馬もこの組から出そうだ。

狙いは当時10着に敗れたインカンテーション。3連勝の勢いを買われ4番人気の支持を集めていたが、レースは1コーナーの不利が最後まで堪えた。
馬群が密集してブレーキがかかり、コーナーを回った時点で13番手の後方。そこから外々を回らされる最悪の展開だ。おまけにレースは前半の4F・50秒4、1000メートル通過が62秒3のスロー。先行決着の展開では出番はなかった。

巻き返しへ中間気配はいい。年明け10日にポリトラックコースで6F追い。軽快に82秒2で動いた姿には敗戦ショックを微塵も感じさせなかった。左回りコースは前走を含んでも﹇5012﹈の巧者だ。今度こそ真価発揮の場になる。

12着に敗れたコパノリッキーもアクシデントに泣いた。中京1800メートルのスタートはスタンド前で上り坂がかかる地点。スタートで脚を滑らしやすいのだが、そこでつまづいてしまった。おまけにインカンテーションと同じく1角で不利があった。本来の先行策がかなわず、なし崩しに脚を使う形が大敗につながった。その後は暮れの東京大賞典でハナを奪って2着に巻き返したが、陣営の判断は右回りより左回りがベター。それが東海Sへの出走意志だ。鞍上・武豊で臨む今回は、インカンの強力なライバルになる。

2着に好走したナムラビクターもV圏内の1頭。展開利はあったものの、馬群の中で戦えた内容は収穫大。レース幅が広がって戦力アップにつながる。

同じ日曜日、中山ではAJCCが行われる。主役はもちろんゴールドシップ。有馬記念はスロー展開で自ら追い上げる苦しいレースになったが、しっかり伸びてコンマ1秒差の3着。悲観すべき内容ではなかった。

この時期からの出発は異例だが、一度使った分、馬体の締まりがいい。年明けは3日の坂路62秒9のあと8日に54秒3をマーク。走る気が見られ、気配はすこぶるいい。

京都は土曜日に京都牝馬Sが行われる。最有力は昨年の勝ち馬ウリウリだ。昨年暮れの阪神Cは1F短い7Fで牡馬相手にコンマ2 秒差4着。今回はディープ産駒が最も得意にする京都外回りマイルだ。10日に坂路初時計をマークして、ここへの準備も整っている。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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