日本球界が誇るスーパースターもその後遺症と日々、戦う病。それは心労多き現代人すべてに注意が必要だった!

今年1月3日に放送され、大きな話題となったテレビ番組『独占! 長嶋茂雄の真実 父と娘の40年物語』(TBS系)。同番組は、2004年に脳梗塞で倒れ、今も後遺症と闘う長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(78)の壮絶なリハビリ生活に密着。長嶋監督を支え続ける娘の三奈さん(46)とともにスタジオ出演し、今に至るまでの苦労を語った。
「実は長嶋さんが倒れた際、数日間は意識不明で、生きるか死ぬかの瀬戸際だったことが明かされました。三奈さんは医師から"寝たきりの可能性もある"と告げられ、大きなショックを受けたそうです」(スポーツ紙記者)

幸い、長嶋監督の意識は戻り、右半身に麻痺が残るものの、杖なしで歩けるまでに回復。だが、それはプロ野球で鍛えた肉体に加え、激しいリハビリに耐えるミスターの強靭な精神力があったからこそ。一般人ならば、はたして、ここまで回復できたかどうか……。

わが国の死因トップ3はがん、心疾患、そして脳卒中(脳血管疾患)だ。
脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあるが、最も多いのが脳卒中全体のおよそ6割を占める脳梗塞。
「脳梗塞は脳の太い血管が詰まる『アテローム血栓性梗塞』、細い血管が詰まる『ラクナ梗塞』、それに心臓にできた血栓が流れて脳の血管を詰まらせる『心原性脳塞栓症』の3タイプに大別されます。長嶋さんは心原性脳塞栓症でしたが、このタイプの割合が近年、脳梗塞全体の約3割を占めるまで増加しています。しかも、このタイプは予防が非常に難しいとされているんです」(医療ジャーナリスト)

私たちの心臓は、健康なときは1分間に60~80回と規則正しく伸縮し、全身に血液を送っている。ところが、この心臓の動きが何らかの原因で強くなり過ぎたり(動悸)、脈に乱れ(不整脈)が起こる状態を「心房細動」という。

「この心房細動が慢性化すると、心臓がポンプとしての役割をちゃんと果たさないため、心臓に血液が停滞し、血栓ができやすくなります。結果、心房細動の人は健康な人に比べて、脳梗塞になる割合が4~5倍も高くなります。心房細動は、特に50歳を境に急増します。統計によれば、放置したままでは70代で10年間に16%、80代ですと3人に1人が脳梗塞になっています」
こう警告するのは、新潟大学名誉教授の岡田正彦氏(医学博士)だ。

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