ウジ虫入りソーセージで流産

なにしろ習近平国家主席自身、福建省の省長時代に、
「新しい土地に赴任して、最初にしなければならないのは、ちゃんとしたレストランを見つけること。コメを食べるときは有毒米かどうかを心配し、野菜を食べるときは残留農薬を気にしなければならない」
と、国のトップですら、自国の食が安全ではないと考える恐るべき国なのだ。

日本では、コオロギやゴキブリの死骸が見つかったが、中国では、どんなものが混入しているのか?

まずはウジ虫が混入した、中国の大手食品会社・双匯が生産したソーセージ。
北米の中国人向けテレビ局『新唐人電視台』によると、ソーセージの中に死んだウジ虫が入っており、食べた妊婦が、あろうことか流産してしまったという。

また、同社製の別の商品の真空包装を裂き、ソーセージを取り出したところ、十数匹のウジが湧いていた例もあるという。
だが、メーカー側は「真空包装の破損で空気に触れ、さらに、蚊やハエなどの外部汚染源があるときのみ、ウジ虫の発生が可能」とコメントし、自社の責任を否定しているのだ。

中国の食の問題に詳しいノンフィクション作家の奥野修司氏が言う。
「ウジ虫ソーセージの話は有名で、2011年から12年にかけて中国で話題になりました。でも、メーカー側は結局、商品を回収しませんでした。その後、私が中国へ行った際、大手スーパーの店頭に、同社製のソーセージが平然と並んでいたことには驚きましたね」

それにしても、なぜソーセージにウジ虫が湧くのか。
それは不衛生極まりない製造現場に問題がある。
中国の中小の食品加工工場では強烈な腐臭が漂い、ハエが飛び交うのが普通の風景。従業員は汚れた床に材料を落としても、平気で拾い入れ、加工する……。
「中国の上海で見た工場の現場も、そういう感じでした。不衛生な工場で加工された商品が、大手メーカーに納められ、日本に入ってくるんです」(前同)

そこで思い出されるのが"毒入りギョーザ事件"だろう。07年12月から翌1月にかけ、河北省の天洋食品が生産した冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3 家族、計10人が中毒症状を起こした事件だ。
ギョーザには、殺虫剤メタミドホスが混入していたというから恐ろしい。

現地では、待遇に不満を持つ臨時従業員の犯行として処理されたが、その毒入りギョーザ製造工場で再び戦慄の事件が起きている。
「ギョーザを蒸す設備に、当時19歳の女性従業員が携帯電話を忘れて取りに入り、それに気づかなかった別の従業員が鍵をかけ、設備を稼働させたんです。翌朝、設備のドアを開けると、蒸し焼きになった彼女が亡くなっていたとか。遺族に賠償金が支払われ、事件はうやむやになってしまいましたが……」(中国事情通)

製造現場がここまでズサンだと、もはや何が混入されても驚くに値しない。
「食堂でチャーハンを食べようとしたら、干からびたネズミの頭が出てきた事件がありました。具である干しシイタケを作る過程で、ネズミが紛れ込み、そのまま調理してしまったようです。チャーシューとは違うネズミの別の部位らしき肉片もありましたから。調理人がシイタケと勘違いして料理してしまったんでしょう」(前同)

また、ペプシコーラに腐乱した金魚の死骸が混入した事件もあった。
「ペプシはアメリカのメーカーですが、ボトル詰め(ボトリング)は、中国国内で行います。その際に混入したんでしょう。スーパーで買った女性が飲むと、中から金魚が浮いてきたそうです。よく見ると、黒いはずのコーラが赤みを帯び、得体の知れない浮遊物も浮いていたそうです」(日本の民放テレビ局取材記者)

ウジ虫にネズミの頭、そして金魚の死骸。想像を絶するとは、このことだろう。
しかも、これらは氷山の一角にすぎないという。
「中国人はよほどの事例じゃないと、クレームをつけない。ですから実際は、明らかになっている以上の事例があるはずです」(中国事情に詳しい拓殖大学海外事情研究所の富坂聰教授)

異物混入に慣れている中国人は、日本人のように鉄くずやビニール程度では驚かないというのだ。
「実際、中国ではコンドームが混入していることがよくありますが、あまり騒がれません」(前出・事情通)

それにしても、なぜコンドームが……。まさか製造現場で、従業員の男女がナニをしていたのか?
「中国ではコスト削減のため、製造現場でコンドームを手袋の代わりにしたり、小分け用の袋に使う場合があるからです」(前同)

コンドームは、ヨーグルトや粉ミルクなどから見つかることが多いという。

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