データ予想 須田鷹雄
妙味ある8歳馬リルダヴァル


東京新聞杯は全馬を均等買いした場合に過去10年の単勝回収率が88%、複勝回収率が90%となるレース。標準的な数値が80%なので、これは「波乱傾向にある」ということを示す。

荒れやすいレースには「下級条件を勝ってきた馬が通用しやすい」「距離短縮の馬がよく活躍する」などパターンがあるものなのだが、東京新聞杯にはこれといった条件がない。強いて言うなら前走1400メートル以下から来た馬は苦戦傾向にあり、前走も同じ1600メートルかそれ以上を走っていたほうが好ましい。

一般的には条件替わりの度合いが大きいほど穴は出やすいものだが、このレースについては前走1600メートル組、つまり距離変動のない組からも穴が出ている。その中身を見てみると、中山→東京と使われた馬が好走頻度も高く、好配当も出している。ただしコース替わりによって前走大敗→今回好走という馬が回収率を押し上げるのではなく、「前
走中山で好走したが、東京は、さほど得意ではないと思われている→実は東京でも大丈夫だった」というパターンが多い。

過去10年、前走で中山芝1600メートルに出走していた30頭を対象に見てみると、前走1――3着(下級条件含む)だった馬は〔4137〕で回収率は単複とも大幅にプラスだが、4着以下だった馬は〔01014〕。単純に中山マイル戦の好走馬を支持すれば良いということになる。

今回の想定馬には前走中山マイル戦3着以内という馬がいないのだが、「当時の1――3着馬不在の4着馬」という◎リルダヴァルがそれに近い存在だ。

昨年の東京新聞杯は出走取り消しだったが、一昨年にはエプソムCで6番人気4着、富士Sで7番人気4着と東京では人気以上に走っている。8歳馬ということで人気にもならないだろうから、馬券上の妙味もある。

他場のマイル戦好走馬だと京都金杯に出走していた○エキストラエンド(当時2着)や▲マイネルメリエンダ(当時3着)がいる。エキストラエンドは昨年の2着馬だから、このレースへの適性は当然あるはず。安田記念の大敗以降スランプに陥っていた時期もあったが、昨秋以降上り調子にある。

マイネルメリエンダは昨秋の東京戦で5着に負けているが、当時は差し・差し決着で先行したこの馬には流れが向かなかった。堅実な馬なので3連複には特に向く馬だ。

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