「最近、ヤバイよな〜」
腹の周りの肉をつかみながら、つぶやてしまったりしていませんか? 通勤時に駅の階段をのぼっただけでフーフーしてしまい、体に悪いとわかっていても、なかなか本気でダイエットに取り組めない。そういう人も多いのではないでしょうか。
そんな怠惰な太っちょをなくそうと、メキシコの首都メキシコシティ(メキシコ市)で、保健当局が画期的な取り組みを始めた。
なんと当局は市内を走る、地下鉄数箇所の駅にスクワットを10回すると消費カロリーが表示され、無料券を発行する機械を設置したのだ。さらに先着8万人には歩数計も配布するというサービスまで実施した。目的は市民の減量ということだが、メキシコは隣国のアメリカを上回る成人の7割、子どもの3割が肥満とされ、社会問題になっているのだ。

「民族の体質、と言ってしまえばそれまでですが、メキシコは本当に太っている人が多いんですよ。メキシコ人の友人がいる人はわかると思いますが、久しぶりに会うといきなり太っていて、その人だと気づかないということがけっこうありますよ(笑)」(メキシコ通の記者談)
またメキシコ料理も肥満になる原因の1つだ。チリやニンニク、トマトを使っていて、一見ヘルシーに思えるのだが、それ以上にカルネ(肉)、ケソ(チーズ)をふんだんに使っている。つまり、野菜が入っていてもけっこうハイカロリーなのだ。

それはさておき、少しでもダイエットしたことがある人ならば、この報道に対し「それって効果あるの?」と思ったのではないだろうか。
というのも、まずスクワットで消費できるカロリーは、実はたいしたことがない。脚に架かる負荷はその人の体重によるが、基本的には1回につき、消費カロリーは0.4〜0.5キロカロリー程度だといわれている。メキシコの地下鉄が定めた10回では4〜5キロカロリーであり、メキシコの国民食であるタコスの皮、トルティーヤが1枚74キロカロリー程度ということを考えるとその効果は疑わしい。

「スクワット自体が、カロリー消費よりも筋肉増大に向いている運動なんですよ。ダイエット目的なら、それより有酸素運動をするべきです。例えば姿勢よく歩くだけでも、十分に効果的でしょう。まぁ、スクワットしたうえで筋肉を付け、基礎代謝を上げる。つまりまずカロリーを消費しやすいカラダにするという考え方もありますが、歩いたほうが手っ取り早いですね」(スポーツクラブインストラクター談)
さらに太った人がスクワットをやっても膝に負担がかかってしまい、やせるよりも怪我の危険のほうが大きい。昔のプロレスラーはスクワットを何千回もできたという逸話があるが、当時のレスラーが現在おしなべて膝を悪くしていることを考えると、その負担がわかるというものだ。スクワットをするよりも、地下鉄を使わずに歩いて移動したほうが効果的かも?

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