スライダーが打者を幻惑する

●根拠(4)スプリットは健在
スプリットは田中の"伝家の宝刀"。事実、メジャー1年目は田中の投球の25.6%がスプリット。直球(22.6%)よりも多投し、強打者を翻弄した。
「田中には剛球投手のイメージがありますが、実際はどんな球種でもストライクとボールを自在に投げ分けられるコントロールの良さが最大の武器です。特に、追い込んでからのスプリットの精度はバツグン。今年も勝負球はスプリットになるでしょう」(前出・記者)
昨シーズン、得点圏に走者を置いた場面では打者を97打数17安打、被打率はわずか1割9分6厘。また、昨年の被本塁打15本のうち14本はソロと、勝負所できっちり打ち取るスプリットの効果が証明されている。

●根拠(5)スライダーで幻惑
今シーズンは、スプリット主体の投球に、スライダーを織り交ぜる機会が増えると予想される。
「メジャーに行って、田中のスライダーのキレ、コントロールが増した。今季はスプリットを意識させておいてスライダーで勝負と、裏をかく投球を考えているようだ」(前出・デスク)
昨年前半の投球を続ければ、メジャー20勝はもちろん、投手のMVPと言われるサイ・ヤング賞の受賞も射程距離。好投手が多数揃うナ・リーグに比べ、ヤンキースが属するア・リーグではライバルも限られている。
「サイ・ヤング賞はア・ナ両リーグから一人選ばれる。田中のライバルは、昨季受賞者のインディアンスのクルバー(18勝9敗)、マリナーズのヘルナンデス(15勝6敗)、ホワイトソックスのセール(12勝4敗)あたり。20勝を挙げれば、受賞はほぼ間違いないです」

唯一の不安はヤンキースの戦力ダウンだが、武田氏は、こう太鼓判を押す。
「今年のヤンキースはジーターもイチローも黒田もいない新しいチーム。エースのサバシアが故障上がりという事情もあり、田中の負担は大きくなるでしょう。でも、彼は、そんな重圧に負けないメンタルとフィジカルの強さを持っている。1年間、ケガなく投げられれば、自ずと結果はついてくるはずです」(武田氏)
今年もマー君から目が離せない!

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