プロ入り数年経つと練習メニューを見れば、力の入れどころ、抜きどころが分かるようになります。「このタイミングで着替える」「この時間は水分補給できるな」「こことここの間でタバコでも吸うか」……などなど。時間の使い方が達者になります。

その逆に入団1年目を筆頭に、若手にはその余裕が全くありません。丸一日アンダーシャツを交換できない。これは僕も経験しました。着替えのタイミングが分からないのです。その結果、汗でビッチョリ→冬空で自然乾燥→汗でビッチョリ→自然乾燥影……これの繰り返しで、練習終了時には身体が汗臭くて堪りませんでした。

ご存じの通り、一軍と二軍とでは全ての面で異なります。宿泊先のホテルなどは最たる例。一軍はグランドホテルで豪華ですが、二軍は民宿かビジネスホテルがほとんどです。使用グラウンドの“質”も違います。まさに天と地ですね。

僕はキャンプ中盤に二軍落ちが定番。ファーム行きとなり、荷物を段ボールに詰めてホテルのフロントへ行くと、決まって入れ替わりで一軍へ上がる選手と鉢合わせになる。向こうは意気軒高。こちらはため息です。

次回は、キャンプ編の最終回。コーチの先入観について書いていきますね。これは僕しか書けません。面白い舞台裏ですよ。

やっぱり、野球が一番!

パンチ佐藤(ぱんち・さとう)プロフィール

1964年12月3日生まれ
亜細亜大学から熊谷組を経て、オリックスにドラフト1位で入団。プロ野球時代、トレードマークのパンチパーマと独特な発言で人気者に。引退後はタレントとしても活躍し、2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任した。

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