同じように珈琲などを飲める店なのに、呼び方が異なる「喫茶店」と「カフェ」だが、この2つの違いについて考えたことはあるだろうか。

昭和28年8月に制定された「食品衛生法施行令」の35条によると、喫茶店とカフェは「喫茶店営業許可」と「飲食店営業許可」のどちらを取っているかによって分類される。「喫茶店営業」とは『喫茶店、サロンなど、設備を設け、酒類以外の飲物、または茶菓を客に飲食させる』こと。
一方、「飲食店営業」とは『一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフエー、バー、キヤバレーなど、食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる』ことで、喫茶店と違ってアルコールを提供できる。つまり、喫茶店とカフェの違いは、アルコールを扱えるかどうかで区別されるのだ。

喫茶店は大正時代に大衆化していき、関東大震災後あたりから、昼は珈琲、夜にはアルコールを出し、女給にチップを払い接客を受ける営業形態の「カフェー」が流行した。これに対して、アルコールを出さない純粋な喫茶店という意味で「純喫茶」という呼び名ができたのだ。

カフェはアルコールを提供するため、昼間に加えて、夜間から深夜まで営業するといった、営業時間の違いも出てくる。また、24時間営業を行っている、インターネットカフェや漫画喫茶のように、飲食以外のサービスが中心になってる店は「複合カフェ」という。

ただ喫茶店と名乗っていても、カレーライスやピラフなどを提供する場合は「飲食店営業許可」を取っていなければならない。そうでなければ『店舗の設備などの基準』を満たしていない、法令違反をしている可能性がある。ちなみに、呼び方には法的な規定がないため、アルコールや食事を提供しない店がカフェと名乗っても、逆にそれらを提供しながら喫茶店と名乗っても、なんの問題もない。

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