2015年1月、沖縄県内でレンタカーのナンバープレートに「れ」が採用される、という報道がなされた。2月から正式に「れ」ナンバーのレンタカーが誕生する見通しなのだが、もともとレンタカーのナンバー表示文字は「わ」のハズ……? 

実は元々「わ」と「れ」の2文字は、レンタカーにのみ使用されるひらがなと定められているのだ。「れ」ナンバーが登場したのは、沖縄には鉄道がないため。沖縄を訪れる観光客にとってレンタカーを利用する以外の移動手段がほとんど存在しない。観光地・沖縄は、他県に比べ非常にレンタカーの台数が多いのだ。そのため、他県に先駆けて「わ」ナンバーがいっぱいになってしまったのだ。なお、同じ沖縄県の宮古島・八重山列島ではまだ「わ」に余裕があるため「れ」は登場していないのだとか。

ちなみに北海道では、つい10数年前までレンタカーのナンバーに「れ」が使われていた。昭和46年に『レンタカーナンバー表示文字は「わ」か「れ」に』という通達が出た際、北海道では「れ」を採用。なぜ「れ」なのかという理由には諸説あり、“当時の低性能FAXで、通達時に文字がぶれて「れ」に見えた”という説や、“レンタカーの頭文字を取って「れ」にした”という説もある。現在は他の都府県に合わせ「わ」ナンバーとなっている。

また、自家用普通車の場合、ナンバープレートに使われるひらがなに実はヌケがある。普通自動車の「お」「し」、軽自動車の「ん」「へ」は、使用不可の文字なのだ。この4文字が抜けているのには理由がある。

「お」=「あ」と形が似ていて、視覚的に誤認される恐れがあるため。
「し」=縁起が悪い文字を連想させる。
「ん」=発音しづらいため。
「へ」=『おなら』を連想してしまうことを考慮。
特に「へ」の理由に関しては、お堅い会議でこれが決議されたことを想像すると思わず苦笑が漏れてしまうが、語呂を気にする日本人ならではの配慮、といえるだろう。

さらに、ナンバープレートの数字にも欠番がある。末尾が「49(死苦)」「42(死に)」がそれだ。しかし、1999年から導入された「希望ナンバー制」に基づいて所有者が申請したものであれば「49」も「42」もその限りではないんだとか。

2006年からは仙台、富士山、伊豆、倉敷など地域性が感じられる「ご当地ナンバープレート」も解禁になっており、現在は20近い自治体からの立候補があるという。普段は地味ながら、調べてみると意外に奥深いナンバープレート事情なのだった。

本日の新着記事を読む