防衛費は過去最高の約5兆円

今後、自衛隊法改正に不可欠な集団的自衛権行使のための法整備を進めると見られている、安倍政権。
「この集団的自衛権の行使を可能とする関連法案も、自公与党が衆院で安定多数を占めている今、今国会での成立は確実です」(ベテラン政治記者)
実際、1月19日には菅義偉官房長官が「自衛隊をいつでも海外へ派遣できるようにする恒久法案を国会に提出する」と意気込んでいる。

「5月のゴールデンウィーク明けには国会提出。関連法案を次々に成立させていく算段です」(同記者)

軍事評論家の神浦元彰氏が言う。
「とはいえ、仮に自衛隊海外派遣の法整備ができたとしても、それが実際の邦人救出作戦を遂行できるかどうかは別問題です。というのも、人質がどの場所、どの施設・建物にいて、さらにはどのような状態で監禁されているのかもわからない限り、救出など不可能ですから」

そう、現代は"情報戦"の時代でもある。これまで日本政府は、高度な情報収集能力を有する米CIAや英MI6、独BND、仏DGSE、イスラエルのモサドなど他国の情報機関に全面的に依存していた。
「ただ、今回のイスラム国人質事件で自前(首相直属)の情報機関の必要性を、首相は痛感している。すでに、新設情報機関として、"内閣情報宣伝局"を設立したといいます」(前出・防衛省関連スタッフ)

潤沢な資金も投入してきている。防衛費はここ3年連続で大幅に増加し、15年度の防衛予算案は、過去最高の4兆9800億円になった。
「防衛省は、潜水艦などを探知する新型哨戒機P1を20機、また、次期戦闘機F35を6機、新型輸送機オスプレイ5機、水陸両用車AAV7を30両、そして、無人偵察機グローバルホークの調達にも乗り出してきました」(前同)

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