「国民を守るため9条を改正」

タカ派の道を突き進む安倍首相が、政治家人生の集大成と公言しているのが憲法改正だ。
「アメリカに押しつけられた現憲法を、自分たちで書いたものに変え、敗戦国として傷ついたプライドを取り戻したい。これが、首相が長年抱いてきた政治信念です」(自民党中堅議員)

国民のテロへの憎悪が燃え上がるさなかの2月3日、好機到来とばかりに、衆院予算委員会で、安倍首相は、
「自民党はすでに9条の改正案を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」
と明言。続く4日、自民党の船田元氏(憲法改正推進本部長)と官邸で会談し、
船田氏「来年夏の参院選前ではなく、選挙後になる」
安倍首相「それが常識だ」
と時期までも明確にしたのだ。

「憲法9条は、日本が交戦権を永久に放棄するというもの。イスラム国をはじめ過激派の脅威はすさまじく、いつまでもきれいごとを言っていられないが、こうした事件があって国民感情が高ぶっている中での決定は拙速ではないでしょうか」(前出・ベテラン記者)
憎しみは連鎖するのか、それとも断ち切れるのか。
安倍首相は難問の前に立っている。

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