では、右脳タイプは? 
「人を巻き込んで直感的に生きるタイプです。まわりとのやりとりからエネルギーをもらうので、多少睡眠時間が短くても元気でいられます。左脳が常に境界をはっきりさせ、物事も人間関係も細分化してはっきりさせるのに対して、その境界をあいまいにしていくのが右脳。境界がなくなると、まわりからエネルギーが入ってくるのです」

右脳タイプにはナポレオンがいますが、3時間しか寝なかったというのは伝説になっています。エジソンは両脳タイプですが4時間、またレオナルド・ダ・ビンチは4時間ごとに15分眠る、という妙な睡眠パターンだったといわれています。

右脳がまわりのエネルギーをもらうということを、自ら体験したのがジル・ボルト・テイラーという脳科学者です。

「彼女は脳出血を起こすのですが、そのとき自らの脳がどうなっていくのかを内側から観察したのです。左脳が働かなくなり、右脳の働きだけになったときに、体の境界がわからなくなっていきます。自分が大きくひろがって、全てのエネルギーと一体となり、そのときにすばらしい幸福感を味わいます。体が軽くなり、仕事のストレスが消え、平安で満ち足りた気分になったというのです。この話は脳の研究者の間ではとても有名です」

不思議な左脳と右脳の働き――。篠浦先生は、自分の脳のタイプを知って、脳の機能をレベルアップさせることで、仕事の質も人間としての質も向上し、充実した人生を生きることができる――と、多くの著書や講演で提唱しています。

自分の脳タイプを知れば、睡眠への考え方も改まりそうです。左脳タイプなら、睡眠時間をしっかりとることで、昼間の活動のレベルアップをはかる。右脳タイプなら、睡眠時間にあまりこだわらず、コミュニケーションを大切してまわりからエネルギーをもらう――。

さて、あなたは左脳タイプ? それとも右脳タイプ? 

え? 眠りの女王ヒサコはどっちかって? うーん、中途はんぱな右脳タイプ……でしょうか。左脳を働かせる計算は苦手だし、片付けや掃除もヘタ。なるようになるサ……と感覚的に場当たり的に生きているし……。でも、右脳ももっとレベルアップさせていかないと、女王として不眠の民のお役に立てませんね。それにいくら不得意とはいえ、左脳ももう少し鍛えて、しっかり進歩もしていかないと――。

(取材・文/眠りの女王ヒサコ)

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