このほど、一風変わった統計が海外サイトで発表された。アメリカ、カナダ、日本など北半球にある人口10万人以上の都市を対象とした「豪雪都市ランキング」だ。近年は日本国内でも東日本を中心に積雪による被害が話題になっているが、他国の豪雪地帯も、大変な模様で……。せっかくなので、ランキング内容を見ていこうではないか。

10位:アメリカ・バッファロー(年間降雪量:240㎝)
カナダとの国境沿いにある都市で、エリー湖の東側に位置。冬季に相対的に温かい湖水の上に風を伴う空気が侵入し、暖まった空気が上昇するとともに水蒸気の供給を受けて積雲が発達、沿岸部に大雪を降らせる「湖水効果積雪」も大きな要因だという。

9位:アメリカ・ロチェスター(年間降雪量:251㎝)
カナダに近く、オンタリオ湖の南にあり、こちらも湖水効果積積雪に見舞われる。時折、猛吹雪も吹き荒れ、1977年のグレート・ブリザードでは、時速96㎞の風が吹雪を誘い、わずか数日で多くの死者を出すことに……。

8位:日本・秋田市(年間降雪量:271㎝)
東北の沿岸部に位置する秋田市が、日本からはまずランクイン。平均積雪量は、1月137㎝、2月107㎝と1メートル越えが連続する。

7位:カナダ・サグネ(年間降雪量:312㎝)
カナダ南東部にある都市。人口およそ14万人で、4つの小都市が合併して誕生した、フランス語圏のエリアだ。西部に広大なサン・ジャン湖があることから、湖水効果積雪が影響するのかもしれない。

6位:アメリカ・シラキュース(年間降雪量:314㎝)
アメリカでもっとも降雪に見舞われるのが、ニューヨーク州にあるシラキュース。オリエンタル湖、オノンダガ湖という広大な湖が付近にあり、さもありなん。

5位:カナダ・ケベックシティ(年間降雪量:314㎝)
北米最古の都市のひとつで、ケベック州第2の都市。欧州にルーツを持つ美しい建築物や文化が特徴で、毎年恒例のケベック・ウィンター・カーニバルでも有名だ。

4位:カナダ・セントジョンズ(年間降雪量:332㎝)
北米最東にある、ニューファンドランド・ラブラドール州の州都。カナダ国内の主要都市においては、平均積雪量トップを誇る。

3位:日本・富山市(年間降雪量:363㎝)
立山黒部アルペンルート、室堂ターミナル周辺の道路に積もった雪を除雪してできる「雪の大谷」は有名で、海外からも観光客が訪れる。比較的穏やかな気候と湿度、富山湾に面することから、湖水効果積雪に近い現象も起きるようだ。

2位:日本・札幌市(年間降雪量:485㎝)
北海道最大の都市。200万近い人口で、その規模は本ランキング内ではトップ。毎年恒例の、札幌雪まつりでも知られる、世界に名だたる観光都市。

1位:日本・青森市(年間降雪量:792㎝)
2位以下に圧倒的な差をつけたのが、青森市。八甲田山の高地にあり、付近の青森湾や陸奥湾から、冷たい空気と水分が豪雪をもたらす。厳しい寒さは樹氷といった自然の芸術品も生み出すが、毎年、8m近い積雪とは……。

いかがだろうか。秋田市も含むと4つの都市が日本からランクインという結果に。とはいえ、名を連ねて羨ましいと思うなかれ。その気候ゆえ生活の不便や災害リスクに悩まされ、除排雪の費用が自治体のフトコロを直撃するという厳しい実情があるのだ。
ちなみに秋田市は26.5億円、青森市は34.5憶円、札幌市にいたっては150億円(道路除雪費、雪対策費合計)と、都市管理コストを膨大に悪化させている(すべて2011年度)。
なお地球温暖化の進行により平均気温は上がるものの、そのことで降雪量が増える地域があるとも予想されている。今後の変化次第では、除雪費用が増大し、財政危機に陥る自治体が出てきても不思議ではないのだ。はたからすると「大変だな~」と軽く思ってしまうかもしれないが、雪が中核都市をつぶしてしまうかもしれないのである。

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