爆笑問題といえば、天才肌でなにをやらかすかわからない太田光と、それを諌める常識的な男・田中とイメージする人が多いと思うが、田中裕二も太田に負けず劣らず、いやそれ以上の濃ゆ~いキャラの持ち主なのである。

まずは田中裕二のプロフィールをざっと紹介しよう。
田中は1965年1月10日、東京都中野区の生まれ。父親は元会社員で、現在は自然保護を訴える会の会長。母は歯医者の娘で専業主婦。
10歳年上の兄と、3歳年上の姉がおり、兄は「コム・デ・ギャルソン オムオム」の元デザイナー。姉も「アツキオオニシ」「ピンクハウス」を手がけたデザイナーと、家庭環境からしてすでに濃い(笑)。日本大学芸術学部演劇科在学中に太田光と出会い、1988年3月に爆笑問題結成。猫好き、スイーツ好き。

彼のエピソードで有名なのは、やはり「片玉」と「離婚」であろうが、実は相当の野球好きであることも見逃せない。今回はこの、田中の野球にまつわるエピソードをまとめてみたい。

田中は大の巨人ファンで、とくに原辰徳の大ファン。毎年2月には巨人のキャンプを訪れ、原監督の隣で練習風景を眺めるのが恒例となっているという。2009年のWBCでも日本チームを批判する小倉智昭に対して、「お前なんかより原監督のほうが詳しいよ。小倉さんは調子に乗っている」とアツく反撃したほどだ。怖いモノ知らず? というか、それほどまでに巨人を愛しているんだろう。
また実際プレイするのも好きで、草野球では投手をつとめている。投球フォームは基本に忠実でカーブがよく曲がり、制球力はバツグン。爆笑問題が太田プロから独立した1990年から3年ほど、ある事情により仕事がなかった時期があるのだが、その間も田中はバイトの傍ら草野球に没頭。なんとシーズン二桁勝利を果たしたのだった。当時、仕事がまったくないにもかかわらず、伊集院光に「毎日野球ができるから楽しくてしょうがないんだよ」発言していたというから、これぞ大物、いや「小さな巨人」と言うべきか。

ちなみに、大学受験の日も田中は野球のユニフォームで会場に来ており、太田は「頭のおかしいヤツがいる。あいつ落ちたな」と思ったそうだ。一方、その太田も試験が始まる前に教壇に上がって意味不明の演説をしており、田中から「頭のおかしいヤツがいる。あいつ落ちたな」と同じことを思われていた。

2010年に放映された『情熱大陸』(TBS)の田中裕二編で、伊集院光は彼についてこう語っている。「あんな異常なスケジュールと異常な才能に溢れた太田光のそばにいながら、『巨人が勝った、負けた』『猫って可愛いな』と思っていることがスゴイ。太田さんが番組でキレて全員圧倒されているところで『もうよくわかんないよ。あっちいけよ』って言える人なんです」 
伊集院いわく「なんでも切れる刀を入れとく鞘(さや)」。寛大なのか、冷静なのか、それともただのおかしな人なのか……とにかく爆笑問題になくてはならない人物なのは間違いないようだ。
田中、好きになりそうである(笑)。

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